2005年06月11日 河川行政での住民参加その5 (カテゴリー: 法律・制度 )
1日1項目づつと思っていたら、いつまでも終わらないので、今日は、残り全部について一気に書きます。一気に書く理由が、もう一つ。発想を転換しようと決めたからです。
先日(6月9日)、「持続可能な開発のための日本評議会(JCSD)」の定例会に顔を出し、久々に「アサザ基金」飯島博さんの話を聞いたのが契機です。「市民参加はもう古い、これからは行政参加だ」というのを聞いて、ストンと、そうだなと思いました。
こうして河川法16条と16条の2の枠の中で問題を並べて理想を述べたところで、所詮、河川法の枠内、国土交通省の土俵の上だけの話にとどまってしまうことが問題だと思っていました。
たとえば農業用水。彼らには越えられない壁がある。
現実社会や時代の流れに対応することはできない。
ならば、河川法という枠組みを現実に合わせようとする試みではなく、現実を主体として、縦割りの箱の中にいる行政の一部署、一部署を、現実世界への参加者として、招きいれ、つなげていけばよい。法律はあとからついてくる。
どう行政を動かすかと考えていた。けれど、行政は一つのアクター(アクションを起こす人)でしかない。「アクターは誰なのか」、それをテーマに、ここから先は動いていこうと思います。
というわけで、長くなって恐縮ですが、以下、河川整備基本方針をもとに作られるはずの河川整備計画についての課題です。
河川法
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第16条の2【河川整備計画】
(もとの条文を一部端折ります。)
●第1項
河川管理者は、河川整備基本方針に沿つて計画的に河川の整備を実施すべき区間について、河川整備計画を定めるおかなければならない。
【現在の問題】
1) 方針が未策定(旧法に基づく経過措置)のまま計画策定が先行
2) 方針の根拠が非公表のまま先行
3) 方針とかけ離れた現実路線を行きつつ、方針の非現実性を放置(見て見ぬふり)
4) 住民参加は義務規定ではない
【理想の案】
1) 方針の中身、根拠が公表されていなければならない
2) 住民参加機会の確保を義務とすべき
● 第2項
公害防止計画との調整/河川の総合的な管理の確保/降雨量、地形、地質その他の事情によりしばしば洪水による災害が発生している区域での災害防止、軽減のための必要な措置
【現在の問題】
1) 縦割り
【理想の案】
1) 地域に任せるべき
2) 防災情報、危険情報の公開が前提(リスクコミュニケーション)
3) ハザードマップの公開
4) 都市計画、まちづくり、環境汚染対策との統合を地域レベルで
● 第3項
河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
【現在の問題】
1) 物言わぬ不勉強な”学識経験者”
2) 事務局の言いなり・追従
3) 河川管理者による恣意的な選任が可能
【理想の案】
1) 学識経験者は、科学的検証、データの正当性の確認のためにいるべき存在にとどまり、情報提供、選択肢の提示をする立場であるべき
2) 意思諮問機関や、河川管理者の意見のお墨付きを与える立場や隠れ蓑になってはならない。
3) 科学的検証、データの正当性の確認ができない学識経験者は、「学識経験者」ではない。「評論家」は要らない。
●第4項
必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
【現在の問題】
1) 必要かどうかの判断は河川管理者
2) ガス抜き
3) 反映の義務なし
4) 必要な措置をとればよし、聞き置くことが可能
【理想の案】
1) 聞き置くだけの公聴会ではなく、応答義務、反映義務を課す
2) 応答できない、反映できない場合はその正当な理由を示さなければならない。
3) 不服申立制度(計画決定を行政処分とみなす)
● 第5項
河川管理者は、河川整備計画を定めようとするときは、関係都道府県知事又は関係市町村長の意見を聴かなければならない。
【現在の問題】
照会内容、意見内容は公表されない
【理想の案】
公表すべき
● 第6項
河川管理者は、河川整備計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
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というわけで、机上の頭の体操は終わり。
昨年8月末に、Vivaの後藤隆さんに、このコーナーをもらって以来、約10ヶ月。社会復帰を目指す私にとって、ここは、インキュベーター(孵卵器)でした。「河川法、もう一回、変えさせなくちゃ」という思いで、何ができるか分からないままに、書き始めたけれど、ようやく、自分自身の中での準備が整いました。
あとは、行動あるのみです。
まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp
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高碕さま
コメントをありがとうございます。工事進捗率の1年前くらいのデータがどこかにあると思うのですが、その資料が今吹っ飛んでいるので、最新情報を今週仕入れて、お答えしますね。このご質問にちなんで考えたことなどいろいろありますので、本文の方でレスさせていただきますね。
先般、戸倉ダムの事業中止が決定しましたが、戸倉ダムは基礎掘削、付け替え道路建設をすでに終えていて、ダム本体を打つだけで完成という段階まで進んでいました。ダム本体工事なら3年程度で終わるはずです。
八ツ場の工事進捗はどのくらいでしょうか??
ダムの貯水量から言っても、戸倉と八ツ場はほとんど同じです。
それならば、どうせ中止するなら本体着工に程遠い八ツ場をやめて、戸倉をさっさと完成させたほうがよっぽどマシだと思った次第。
Posted by: 高碕 : 2005年06月13日 11:37