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ダム日記2 河川法を改正しようヨ by まさのあつこ

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2005年02月27日 心からのお返事 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

過大な洪水想定 の号に、川原湯温泉の方が、コメントを付けてくださいました。
 ご存じない方のために念のため。「川原湯温泉」は八ッ場ダムができると水没することになり、現在の川原湯の上にずり上がり方式で「現地再建」を目指している集落です。
 ふり絞ってコメントを付けてくださった勇気にとても感謝します。それに対して、不十分かもしれないけれど、同じ欄にコメントでお返事を書きましたが、あえて、こちらでもさらにお返事させていただきます。

 私には、実は、苫田ダム(岡山県)の水没予定地で(お母さんのお胎の中にいる時から)育った山本まりという友だちがいます。彼女のお爺さんは反対運動の先頭に立っておられた方です。水没予定地の住民同士、意見も立場も違い、反目させられ、バラバラになり、なんの罪もないのに苦しめられ、なんの罪もなかった私の友だちも、傷つきながら、育ちました。反対が諦めに変わり、故郷の家が壊され…、その風景を目にし、そんな気持ちを下流住民はまったく知らない。

 私はまりさんと出会って以来、たった10年、彼女の気持ちに寄り添うだけしかできてきませんでした。今もこれを書きながら、まりさんと一緒に見た風景、訪れるたびに変わっていった風景を思い出して、今また再び、あの「真綿で首を絞められる」(水没予定地の住民が感じる感情を描写したまりさんの言葉)ような風景が、水出さんの目の前にあるのかと思い、せめて、その気持ちに寄り添わせてもらうことができたら、せめてそれだけでもできたら、と思っています。

 水出さん、私に会っていただけませんか?思いのたけをお話しいただけませんか?
 
 コメントへのコメントの方にも書きましたが、もう一度、強調しますが、水没予定地の方々が、税金の無駄遣いをしているなどと、考えている人間は、私を含め、ひとりもいません。ぜひ、そのことだけは確信を持ってください。

 私の怒りは、「必要」ならまだしも、「必要でなくなってしまった」にも関わらず、そのことで、皆さんに謝りもせず、政策転換もせず、償いもせず、八ッ場ダム計画を推し進めようとする日本という国(国交省、国会、地方自治体)の卑しさ、しかも、皆さんの犠牲を知りもせず、考えもせず、そしてそれを、どうにもできない自分も含めての「今」に対する怒りです。

 私の怒りや苛立ちの矢が、川原湯に住んでおられる方に向いておられるように感じるとしたら、それは、ごめんなさい。でも、絶対にそうではありませんから、それだけはぜひ分かっていただければと思います。

 以下は、水出さんのコメントに、同じコメント欄でつけた私のコメントです。念のために、こちらにも自己転載させていただきますね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
水出耕一さま
読んでくださって、コメントまでくださってありがとうございます。
「タバコ屋1件・土産屋1件・食堂1件・旅館13件
・郷土料理店1件・すし屋1件・床屋.美容室3件・・・」になってきたのですね。
 昨年、川原湯温泉を訪れた時、数年前に初めて行ったときには無かった広場が、川原湯温泉から駅の方へ降りていく左手に出現していたのを思い出します。
 風景が変わっていく中で、53年の月日の中で感じる怒り、どこにぶつけることもできない怒りやその他、言葉などにはできない感情の中におられること、感じます。

「その中で国土交通省にも私たちの要求はして行きます」
 そのお手伝いをさせてくださいませんか?ダムができようと、できまいと、最も大事なことは、最も辛い思い(思いだけではなくどうにも思い通りにならない生活)をさせられた水出様達が、報われる(一部でも報われる、本来ならすべて報われる、それ以上に報われる)ことだと思っています。
 土足で立ち入りたくないので、取材もこれまで、私は遠慮しいしいやってきました。初めて八ッ場を訪れたとき(数年前)、「あんた、来るの50年遅いよ」と言われました。
 遅かったと思います。でも私は50年前に生まれていませんでした。その計画がまだ生きていること自体、問題だと思っています。
 
 決して、地元住民の方が、無駄使いをしているなどと考えている人間は、一人もいません。それだけは、確信していただきたいと思います。逆に、ダムができようができまいが、国は、この半世紀の迷惑に対し、地元の皆さんに損害賠償もしくは慰謝料を払うべきだとすら思っているのです。
 とりいそぎ、心より、コメントをくださったことへのお礼と、その勇気への尊敬をこめて。(まさのあつこ)
~~~~~~~~

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月27日 「暫定」と「安定」水利権 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

水利権許可行政を見直すべし

 クライマックス第三弾でいよいよ、本日の最終レポートです。
 まずは解説です。「河川は、公共用物」(河川法第二条)なのですが、それを使うには、河川管理者(おおざっぱに言えば、一級河川が国土交通省、二級河川が都道府県知事)に「水利権」を申請し、許可されるという形で可能になります。今日、お伝えしてきた2月25日、衆議院予算委員会分科会での塩川鉄也議員の質問の最後は、この「水利権」許可行政を見直すべきではないかというものでした。

 国土交通省は、不思議なことに、「水利権は、ダムを作ると増える」と考えます。
 逆に言うと、ダム無しで取水できる水のことを「暫定水利権」と呼び、「ダムを早く作って解消して安定水利権にしましょう」という考え方をします。おかしいですね。
 実際に、川に流れている「水」には何も変わらない。それなのに、彼らは「安定」に対して、勝手に「不安定だ」と言います。 しかし違います。

 帳簿上で、「暫定」と呼んだり「安定」と呼んだりしているだけで、「安定」の反対は「不安定」という意味ではない。実際には、何も変わりません。
 なのに「ダム無し」で取れている水は、早く解消しなければと理屈を付けて、結局、これが、たとえば八ッ場ダムを作る理由になっています。

  いや、ほんと。そんなことが、八ッ場ダムを作る理由になっているんです。
 
 「暫定」か「安定」か、呼び名の違いだけで、ダムが要るという理屈になっています。でも、実際のところ、水は、足りている。そのことを、塩川議員は明らかにしました。
 
 ちょっと解説し過ぎかもしれませんが、国土交通省河川局長が、わざわざ、分かりにくく答弁しています(まったく日本語になっていないところがある)から、その意味でたっぷり解説させていただきました。

塩川鉄也議員:
利水について伺う。特に埼玉県にとって農業用水の合理化事業の問題がある。その水利権が暫定的なもので、非灌漑期の水源を別のダムにより手当しないと安定した水利権とならないとされている。しかし、現実には水は供給されている。安定した水利権として認めない理由はなんなのか?

河川局長:
農業用水の合理化事業について。灌漑用水はだいたい夏期に必要な用水である。夏の間の用水を合理化するようにして生み出される新たな水源は見直しの中で出てくる。冬期間については、そもそも農業用水の水利権がもともとない。したがって、冬期間の流況に対して、安定した水利権が与えうるかどうかは、実際の流況は、例えば平成8年、9年には、冬季に取水制限が行われるような渇水が起きてきている。安定的な水源とするためには、たとえば、八ッ場ダムの新たな水源開発に乗らなければ水利権を付与することができないとなっており、現在の暫定水利は、ダムが完成した時点で、安定水利になるという性格のもの

塩川鉄也議員:
しかし、もともと冬場は農業用水は使っていないから、河川の流量が夏期と比べて少なくなるとはいえ、都市用水の取水が困難になることはない。97年、98年の話もあったが、取水制限のときも余裕があった。冬場に取水制限が行われた97年、98年でも、実際には調整もなかった。20年間困難があったことはない。流況を調査したデータを見ても、現実には余裕があることが示されている。暫定水利は、「暫定」と言えるのかが、今問われている。これは機会を改めて議論したいが、暫定水利権の扱いを含めた水利権の許可制度について抜本的な検討が必要ではないかと考える。

最後に一つ大臣に伺う。水については首都圏では、水道事業者、水利権者はそれぞれあるが、水そのものは一つ。水の融通ということについて、もっと現実に即した対応が必要ではないか。例えば、水利権の転用についてもハードルが高いと言われている。工業用水から上用水への転用を円滑におこなえるよう求める制度見直しを認める声もある。

 日本工業用水協会のまとめた「今後の工業用水事業のあり方に関する研究会」報告書では、上水等への転用が円滑に行われるよう、たとえば転用に伴い、返還する工業用水事業補助金と、新たに交付される上水道補助金事業との相殺や、一定の要件を満たした場合の工業用水事業補助金の返還免除など制度の見直しの検討を求めている。経産、農水が対応するってこともあるだろうが、水利権者の間の調整や水道事業者相互の水融通について、もっと時代に合わせた柔な対応が必要ではないか。大臣いかがか?

国土交通大臣:
水利用の合理化は私も必要だと思っている。水利権の転用をはじめ、水道施設での漏水の防止、工業用水の回収利用の向上、下水処理水の再利用、雨水の有効利用等、水利用の合理化はこれからもしっかりと推進させていただきたいと思っている。利根川水系における水利権の転用は、実績は、昭和40年度から26件ある。そのうち転用先は24件が上水。

塩川鉄也議員:
利根川流域の実状に合わない水利用計画や取水対策を見直して、住民の声を反映した水計画を作ること、中でも八ッ場ダム計画の中止を改めて求めて質問を終わります。

==
というわけで、見事な充実した30分の国会質問でした。

「現在の暫定水利は、ダムが完成した時点で、安定水利になるという性格のもの」という河川局長の答弁。これが「利水問題」のすべてです。

「暫定」(彼らが言う「不安定」)か「安定」か、というのは、ダムを作る「前」と「後」の名称の違いでしかありません。

水は、もともと、川にあります。
人間の、いえ、国土交通省の都合で名前が変わるだけ。
それが、「暫定」と「安定」の違いです。

おんどりゃ~。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 洪水調整効果ゼロ (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 さて、クライマックスの第二弾です。
 八ッ場ダムが必要です、というパンフや国会議員への説明資料に、これまで、国土交通省が必ず入れ込んできたのが、「カスリン台風」でした。その被害を大々的に宣伝する写真でした。だからダムが必要ですと。ところが…です。

塩川鉄也議員:
カスリン台風のときに、八ッ場ダムの洪水調節効果は?資料ももらっているが。31位の過去の洪水ということで出ている。カスリン台風のときの八ッ場ダムの洪水調節効果はどの程度あるのか?

河川局長:
八ッ場ダムにつきましては吾妻川という支川に建設されるダムだが、その流域に沢山の雨が降る場合とそうでない場合があるわけで、カスリン台風のときの降り方には、八ッ場ダムの効果においては八ッ斗島地点について、大きいものは期待できないと計算結果がでています。ただし、利根川水系のような流域の大きい川になると、いろんな雨の降り方があるので、平均的には600トン、大きいものでは1500トンなどの調節効果が見られるが、ご指摘のカスリーン台風のときは、大きい効果は見込めないという結果になっている。

塩川鉄也議員:
八ッ場ダムを作る理由の一つは、カスリン台風だとさんざん言われてきた。しかし、実際、国土交通省からいただいた資料によれば、カスリン台風では、効果はゼロなんです。そういう点では今までの論拠はなんだったのか?そもそも疑われる。治水効果で見れば全体ではわずかなもの。元もと吾妻川渓谷が天然のダムとなるような渓谷の地形をなしている。洪水調整作用を果たす。ダムにこだわることは河川改修を遅らせることになっているのではないか。改めて、洪水調節効果を再検討する必要がある。いかがか?

河川局長:
河川整備基本方針、整備計画の検討の手続の中で、ご指摘のあったダムの効果や、これからダムがどのくらい必要になるのかを、合わせて検討してまいる。

塩川鉄也議員:
ダムにこだわることでかえって被害を大きくした。昨年、経済産業委員会の視察で三条市にいってきた。中小企業の社長さんから聞いた。ダムがあるから水害はないと思って、水害の保険に入っていないと。結局、河川改修が必要だったのに怠った。ダムにこだわることにより河川改修が遅れた。この点での見直しが必要だと考える。

(続く)

★そうそう。重要なことを忘れていました。

いろいろな雨の降り方がある、と河川局長は言ったけれど、台風は、誰でも知っているように、南からやってきます。すると、必ず、その雨雲は、榛名山と赤城山にぶつかって、そこで雨を降らせ、八ッ場ダムの集水域である吾妻川流域には、チョボチョボっとしか、降らないんです。

分かります?つまり、

「カスリン台風での効果が見込めない」ということは、「台風での効果が認められない」ということと同義語です。そして、南から湿った空気で大雨が降る以外、大雨が降る要素なんか、あの地域にはないのです。雨雲は宇宙からは来ませんからね。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 過大な洪水想定 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 さて、クライマックスの一つです(まだまだあります)。
 八ッ場ダム問題における最大の問題は、洪水が過大に想定されていることです。その過大さが、現実離れしたものであることは、河川工学をやっている人々の間では、実は、常識過ぎるほどの常識になっています。(国交省はもちろん自覚しています。目を背けていたいだけです)

 どれくらい過大かと言えば…、利根川水系では、国交省は八ッ場ダムにこだわっていますが、実は、あと20個ダムを作らないと、いけないというほどの、す~んごい洪水が来ることになっています。でも、過去そんな雨、降ったことがないんです。

 ダムをあと首都圏に20個。誰がどう考えても、実現可能性がない。それなのに、計画を立て直さない。その想定自体がウソなんだと言えない。ほんとうに可哀想な人々です。過去に先輩官僚たちがやった亡霊にうなされる現在の官僚たち、その答弁が以下の通りです。

塩川鉄也議員:
利根川の基本高水22,000トン/秒の算定根拠は?

河川局長:
一般的なそれぞれの水系について、どう流量を決めていくかをお話したい。まず、水系ごとの重要性を判断して、確率を、何分の1の安全度を目標にすると決める。たとえば200分の1。この200分の1の確率に総統する雨量を算定する。その雨量に基づいて河川の流出計算を行う。その結果としていろいろな数字がでてくる。それを総合的に判断して定める。利根川の場合、200分の1の雨量による算定は21200。それに加えて、実際に降った雨として、昭和22年9月のカスリン台風による実質降雨により算定し、22,000。そこで基準地点の八ッ斗(やった)島で22,000と定めている。

塩川鉄也議員:
ダムの治水効果は否定しないが、22,000のピーク流量だと今後いくつの治水ダムはいくつ作ることになるのか?これに対応するためのダムでの治水効果ですね?いくつのダムを作ることになるのか。

河川局長:
さきほど基本高水のお話をしたが、利根川については、河道への配分流量は16,000トンという計画。差の分なので、6,000トンを何らかの方法で調節していく。ダムというのは一つの方法。遊水池も合わせて考えていかなければならない。これからダムをいくつ作らなければならないかは、詳細なダム地点の検討を経ていくので、数字はいくつというのはございません。6,000トンをなんらかの形で調節していなければならないので、八ッ場ダムのあとのダムについても、これから検討しなければならない

塩川鉄也議員:
既設のダムと八ッ場ダムを含めて、実際、いくらカットできる数字になっているのか?6,000トンのうち。

河川局長:
今、数字を持ち合わせていないが、6,000トンのうちの、まだ比率としては3割とかにしかなっていないのではないか。

塩川鉄也議員:
6,000トンの洪水調節必要量のうち、既設の6ダムと八ッ場ダムも入れて、1,600トンですから残りは4,400トン。単純計算で八ッ場ダム含め7ダムで1,600トンですから、残り4,400トンなら、同規模が20のダムが必要。これから20近くのダムを作るのが可能なのか?現実的だと思うか?

国土交通大臣:
すべてをダムでやろうということではない。さまざまな方法がある。一番いい方法を地元との協議できめていかなければならないと考えております。

塩川鉄也議員:
いや、遊水池とかダムなんですから、ダムなんですよ。そういう点でも、これから20近くもダムを作れる見通しが本当にあるのかどうか。そこをそもそも考え直す必要があるのではないか。

~~~~
おっと。友だちから電話がかかってきました。明日のお弁当はどうすると?
買い物にいかないと、今晩食べるものもありません。
ちょっと主婦してきます。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 「現状を反映していない」と河川局長 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 連続して書いて疲れてきました。トシです。仕事もあるので、そろそろ切り上げます。しかし、ここからが本題です。ちょっと踏ん張ります。

塩川鉄也議員:
 八ッ場ダムについては、住民監査請求、支出差し止めの提訴が起きている。その意味でも、改正河川法の趣旨に則った対応が必要だと考える。学識経験者、住民の意見を反映させるとなっているのに、50年以上前につくられた八ッ場ダム計画を進めるのは、改正河川法の趣旨に反するのではないか?

河川局長:
八ッ場ダムについては、その目的があるが、現状に合わせた計画の内容を意識してやっている。昨年のダムの基本計画について、事業費改定をしたが、全体の見直しと調整はやってきている。ただ、もとのフルプラン、河川整備基本方針、整備計画については、まだ十分な現状を反映した見直しが行われていないのは、ご指摘はその通り

塩川鉄也議員:
立ち止まって考える時ではないか。住民の声も聞き、学識経験者や住民の声を反映させる。べき。整備計画が策定されているのは全国で11だが、流域委員会を作って反映させるところは、25水系に上っている。利根川ははいっていない。ただちに行うべきではないか。協議機関をすぐ作ることを国として求めていくべきではないか?

国土交通大臣:
利根川は重要な水系だと考える。流域の学識経験者で、水系全部でいくのがいいのか、地域ごとにわけて対応した方がいいのか、今検討中。とにかく、早い機会に意見を聴取できる体制を取りたい。

塩川鉄也議員:
流域委員会を作っていただきたい。

国土交通大臣:
流域委員会は、法的に位置づけものではないが、学識者、あるいは流域の関係者の意見を聞くために、それぞれの水系にあった形で、聞く場を設けている。その一つの形態が流域委員会だと考える。利根川の場合も、十分意見聴取ができる形で、流域委員会のような形のものを考えていかなければならないと考えている。

塩川鉄也議員:
ダム事業費が一番大きいのが、八ッ場ダム。残額が一番多いのも八ッ場ダム。これから負担する住民の皆さんの声を聞くのが当然。流域委員会を作った対応が重要。住民の声を聞くことなしに事業をすすめるべきではない。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 「昔の計画が生きている」と国土交通大臣 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

今度は、97年の河川法改正以降についての質問です。
前号の「利水」に変わり、今度は、「治水」の基本についてです。

塩川鉄也議員:
97年の河川法改正以来、河川整備基本方針および河川整備計画を住民参加、環境保護の観点から策定されるはず。利根川ではどうなっているか?

国土交通大臣:
利根川の河川整備基本方針および河川整備計画は、利根川の治水計画の基本なので早急に策定したい近年の降雨資料の整備解析をしている最中。私からも早期策定に向けて作業をしてもらいたいと要望している。利根川は流域が大きくて、流域都県、関係市町村、関係機関がたいへん多い。これらの機関との事前調整を行い早期に策定したい

塩川鉄也議員
改正されて8年。ただちに作るべきが実際にできていない。フルプランもない河川整備計画もない昔のままのダム計画しかない。昔のままの計画でダム計画を進めるのは極めて問題ではないか?

国土交通大臣:
昔の計画が生きている。無効になったわけではない。現実に、治水の必要性は昨年1年見てもたいへん高い。新たな河川整備計画ができていないから治水についてしてはならないということではない。かつての計画に従って進めている。

塩川鉄也議員:
水需要が変わるなかで、改正河川法があるのに、昔のままでいいのかが問われている。

~~~~~~~~~
解説不要ですね。
昨年、国交省は、八ッ場ダムの基本計画を変え、事業費を倍増させ、1都5県に事業負担増を了承させました。その際、その時点ではまだ、「近年の降雨資料の整備解析」も「事前調整」も、やっていなかったことになります。

科学的な検証なしに、単に、自治体への負担の押しつけをやったことになります。また、自治体は、この重要な法運用をすっとばしたまま(いわば脱法行為)、国交省の言うなりに、増額を認めたことになります。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 フルプランは「意見交換」中と水資源部長 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 2月25日予算委員会第八分科会の塩川鉄也議員の質問を見ながら、書き取ってみました。速記者が書き取って確認され、ウェブサイトの議事録に載るまで、通常、衆議院は参議院よりも遅い。待っていられない。そこで、概要を書き取ってみました。

 書き取ってみて、優れた国会質問の組み立てを行った塩川議員とその裏方さんたちを心から尊敬。一般の方々にも100%その素晴らしさ(そこから得られたもの)を実感してもらいたいので、いくつかのパートに分けて、たっぷり解説させていただきます。

パート1は、「フルプラン(水資源開発基本計画)」についてです。

 フルプラン(水資源開発基本計画)とは、昭和36年にできた水需要の増加に対応するための、水資源開発(=ダム開発)のための基本的な計画です。

 東京首都圏(利根川・荒川水系)、大阪(淀川水系)、名古屋(木曽川水系)、北九州(筑後川水系)、徳島(吉野川水系)、愛知(豊川水系)の7水系、つまり、人口増加や工業の発展が目覚ましかった地域に、その時代に指定して、そこに集中的に、資本(国民の税金)を投下しようとした。国策です。

 しかし、この根拠法およびフルプランもろとも廃止すべき時代です(その時代は過ぎています)。なぜなら、実質的に水需要を満たし、水が余っているにもかかわらず、「計画」と「法律」だけが存続しているからです。
 
 実は、国交省も関係各省(経済産業省、厚生労働省、農水省)も、そして関係自治体もすべて皆、そのことが分かっています。分かっているからこそ、実状に合わせて「計画」を立て直すと、もう計画は不要だとバレてしまう。計画の終了および根拠法の廃止を宣言せざるを得ない。もうダムは造れない。それをやりたがらない。
 
 利根川だけの問題ではありません。木曽川(長良川河口堰、徳山ダム)、吉野川(第十堰)など、みな、同じ問題でした。(吉野川は住民運動によりついに利水目的をはずさせた)
 
 それをみとめると、政策の大転換となる。行政マンたちには、それができない。
 本来は事実を大臣に報告し、適切な政策オプションを提示し(この場合、フルプランの終了と根拠法の廃止)、大臣の政策判断を促すことが責務のはず。
 ですが、どうも、そういうメンタリティが育つ環境にない。「前例を作らない」「前任者がやった通りにやる」ことで、出世をしていく世界で、政策転換を提示するという当然のことができない人々になってしまっている。

 官僚がその態度で仕事をするのであれば、残されたオプションは一つ。
 
 政治家であり、「行政」をコントロールするためにある「国会」から任命された国土交通大臣自らが、自分で判断し、その政策転換を宣言しなければならない。時代が変わり、政策転換が必要であることに、大臣がいつ気づくか、どの大臣が気づくか。そういう期待の仕方しかできないわけです。

 そして、国会側から、塩川議員によって、行政マン達が指摘しそびれてきたこと(内々では分かっていながら)を指摘された。それを大臣がどう判断していくかという局面がようやく訪れた、というわけです。

 前置きが長くなりましたが、塩川鉄也議員による、国会質問(2月25日 予算委員会第八分科会)とその答弁のうち、八ッ場ダムのある利根川水系の「フルプラン」に関するの概要は以下の通り(敬称略)。

塩川鉄也さんの質問と国交省の答弁~~~~

塩川鉄也議員:
「全国で水余り。フルプランを作り替えなければならない時。時代のニーズに合わせた新たな利根川のフルプランはどうなっているのか?今後の見通しは?」

国土交通省水資源部長:
「利根川水系フルプラン改訂について、利根川水系の調査をしている。
 関係都県に、将来の水需要の見通しなどをお願いしているところ。
 私どももそうだし、基礎資料の収集整理、関係者との調整、合意形成など様々なプロセスが必要。
 最終的には国土審議会での審議を経て手続を完了させる。
 どうしても時間を要するので理解を賜りたい。できるだけフルプランの改訂をできるだけ早く終えたい。  現在、関係省、関係都県との間で、情報収集、意見交換、必要な調整をつとめている。

(続く)~~~~~~~

 解説に戻ります。

 八ッ場ダムの目的の一つは利水です。昨年度予算で事業費を4600億円へと倍増させたわけですが、増額を先にやっておいて、今頃、フルプランについて関係省、関係都県と「意見交換」「調整」している。おかしいと思いませんか?常識的には先に見直しをやってから、予算を考えますよね?

 つまり、先に見直してしまうと、八ッ場ダムの利水目的がふっとんでしまうからなのです。

 利水目的が破綻していること、おわかりいただけたかと思います。
 (続く)
 
まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月26日 「ダムの効果は期待できない」と河川局長答弁 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 今朝は(もう昼でしたが)、赤旗新聞のFAXで起こされた。
 「な、なにごと?」と読んでみると、びっくり。
 塩川鉄也議員が2月25日、衆議院予算委員会分科会で八ッ場ダムの治水効果がないことを質問。ダム建設の中止を求めた。
 それに対し、河川局長が「カスリーン台風のときのような雨の降り方には、ダムの効果は期待できない」と答弁したという記事です。

また、北側国土交通大臣が、「すべてをダムでやろうとしているわけではない。さまざまな方法があり、一番いい方法を協議できめなければならない」と答弁。

誰しも、赤旗を取っているわけではないし、予算委員会の分科会というのは、同時並行でジミに行われる質問の場なので、なかなか、報道もされない。赤旗はエライなぁ~と思いながら、上記のような要旨をかいつまんで、関係者にメールで送り、次に、衆議院のインターネット審議中継から、「ビデオライブラリ」をクリックし、2月25日…とクリックしていくと、あった。2月25日 予算委員会第八分科会 で、塩川鉄也(日本共産党) の質問。

というわけで、今日は、ちょっと連続して、この充実した国会質問の様子をレポートします。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月20日 ヨソで語る (カテゴリー: 法律・制度

 このブログは、その名も「河川法を改正しようョ」なのに、あまり、河川法改正の話題がダイレクトに出てこないと、イライラされている方もおられるかもしれません。すみません。これまでは、むしろヨソでナマの言葉で語ってきました
 延べ300人くらいの人に、話を聞いていただきました。

 少しづつバージョンアップをしながら、基本的には、馬鹿の一つ覚えのように、現状はこうである、という説明と、政策オプションの提示という形で、お話をしてきました。(一つの例をPDFファイルで示します。)

 「現状分析&政策オプションの提示」というスタイルは、米国議会技術評価局(現在は廃止)が 「公共政策の選択肢」を明らかにするために行っていた、まずは現状(技術)を評価し、議会に対し政策オプションを提示するという手法から取っています。
 (不妊問題を調べていて行き当たって以来、この手法を真似ています。)
 
 現状分析も、提示している政策オプションも、発展途上段階ですが、ここ半年の発信とフィードバックのキャッチボールで、「ここだ」という戦略ポイントは見えてきました。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月18日 栃木・群馬・東京の陣 (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

 あ~忙しかったです。昨年秋から年末、ボツが何回か続き、「もう~、下手な鉄砲数打ちゃ当たるだわよ。ぜったい食えるジャーナリストになるわ」と、シャカリキに営業したら、とりあえず絶えず締め切りに追われるというありがたい状態にはなりました。しかし、営業がうまくいったらいったで、今度は、取材と執筆が間に合わないことを発見!駆け出しのジャーナリストって難しい職業ですね。

 それはともかく、八ッ場ダム住民訴訟はその後、栃木(1月27日)、群馬(1月28日)、東京(2月16日)の口頭弁論が終わり、次は埼玉、2月23日(水)13:15 さいたま地裁301号法廷というところまで、進んでいます。

 一番近い東京地裁を覗いてみよう思っていたのですが、いきそびれたので、「八ッ場ダムをストップさせる東京の会」の深澤洋子さんが、傍聴へ来られた方へよせた報告を、一部転載させていただきます。

 「昨日の東京地裁の傍聴、ありがとうございました。天気は悪いし、電車はおくれるし、悪条件の中で、80人ほどの方が来て下さったようで、東京の原告団としては感謝に堪えません。傍聴席に入りきれなかった方には申し訳ないことをしました」

 それから、初めて住民訴訟の原告になった渡辺誠さんからの報告が、とても新鮮で笑えました。

 司法と立法と行政の三権の中で、情報公開がいちばん進んでいないのが、司法の場だなのかもしれませんね。情報公開の基本はやっぱり、記録と保管ですものね。それがあって初めて「公開」ができる。初めて原告になった人が、初めて肌で感じることって、貴重です。そう思いました。慣れてしまうと、いろいろなことが見えなくなる。初心忘れるべからずなんですね、きっと。というわけで、以下は一部転載です。

 「帰り際、黒い制服の職員らしい人に、机にあったレコーダを指さして、録音しているのかと聞くと、一切していないとのことでした。そう、田中さん、梅沢さん、只野弁護士のあの熱弁は、全く録音もされていないのです。もちろん録画も。まさにその場のライブだけ。法廷へのカメラビデオなどの持ち込みを禁止しているぐらいなら、オメーラがちゃんと保存しとけよ、と、思わず怒鳴りたくなりました。

やれやれ、こういう場に慣れている方々はとにかく、初めての私は疑問符と怒りが場面場面に表れてしまいました。まだまだ修行が足りないのでしょうか?それともあの場所が、相当浮世離れしているのでしょうか?ここにはトヨタが得意とする「カイゼン」などという言葉は存在しないんでしょうね。

どシロウトゲンコク 渡辺誠」

というわけで、深澤さん、渡辺さん、転載許可ありがとうございます。
肝心の中身に触れずに恐縮ですが、今日のところはまずはこれにて。

そうそう。最近、八ッ場ダムを考える会がウェブサイトを更新され、生き物のスライドショーのページが人気を呼んでいるようです。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp

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2005年02月04日 自分は魔女かと思うとき (カテゴリー: 八ッ場(やんば)ダム

昨年夏から取材していたテーマで、今日、岩波ブックレットが出ます。

『八ッ場ダムは止まるか-首都圏最後の巨大ダム計画』
   (八ッ場ダムを考える会編 定価/本体480円+税)
第一章  八ッ場ダム 現地の〈いま〉 隈 大二郎
第二章  八ッ場ダムは本当に必要か 嶋津 暉之
第三章  ダムが破壊する自然と人々の暮らし 嶋津 暉之
第四章  浅間山の下流にダムを造るとどうなるか まさのあつこ

 八ッ場ダムの地質のことを真っ正面から書いてと依頼され、最初は正直、困ったな、と思いました。
 以前、「ダム誘発地震」ではないかと言われた長野西部地震と牧尾ダムのことにつなげて少し、『週刊金曜日』で書きはしたものの、過去の検証と、未来予測に意味を持つ文章を書くのでは意味が違う。

 そこで、夏、群馬大学の先生に密着し、浅間山をウロウロし、噴火とダムの関係を勉強していると、噴火が起きました。
 次に、地すべり地形とは、馬蹄形をしている…と勉強・取材をしていると、台風による大雨で、ウチの裏にある山が、ドッと地すべりを起こし、現れた地形を見てびっくり!本当に馬蹄形をしていました(人的被害なし)。
 江戸時代の浅間山の噴火を調べていると「天然ダム」という言葉に遭遇し、新潟の「天然ダム」が報道され、河道閉塞だと名前を変えていきました。

 際物になってはいけない、と緊張しながら取材していました。
 こういうふうに書いていいだろうか、ああゆうふうに書いて良いだろうか、と見極めようとしている時、いちいち、地球によって、「間違っていないよ」と証拠を見せられた気がして、少し、恐ろしかったです。

まさのあつこ atsukom@mrj.biglobe.ne.jp