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ムービーレビュー

ボランティアや市民活動に関する映画やビデオ作品などの映像とともに、自主上映情報なども紹介します。

アイ・ラヴ・ピース


日本映画初のアフガニスタンロケ敢行。義肢装具士を目指すろう者の若き女性と、地雷で片足を亡くしたアフガニスタンの少女との交流。

■監督:大澤豊
■2003年日本
■出演:忍足亜希子、アフィファ、林泰文、宍戸開、ベヘゾート、山本圭、酒井和歌子、三船美佳、他
■製作:「アイ・ラヴ・ピース」製作上映委員会/制作会社:有限会社こぶしプロダクション/配給:「アイ・ラヴ・ピース」全国配給委員会、有限会社インディーズ、有限会社こぶしプロダクション、有限会社ハートフル・ウィング/協力:アフガニスタン義肢装具支援の会
上映情報

ろう者の花岡いずみ(忍足亜希子)は、島根県の義肢装具会社で義肢装具士を目指している。先輩装具士の久保学(林泰文)が、アフガニスタンのNGOの診療所で働く大学時代の先輩、日田英夫(宍戸開)の誘いにより、数週間ボランティアとして手伝いにアフガニスタンへ行く。イスラムの国での女性の義足作りには女性が必要なはずだと、いずみも同行することに。首都カブールで2人は、地雷で片足を失った少女パリザット(アフィファ)らに出会い・・・。

 爆撃があってもその音が聞こえないのだから、と心配して、いずみのアフガニスタン行きを危ぶむ母親代わりの会社の先輩もいた。実際、「危ない! そっちに行ってはダメ」と危険を知らせる声がいずみには聞こえないシーンがあり、ハラハラさせられた。しかし、現地で日本語はほとんど通じない。言葉が通じない音声よりも、手話や表情のほうがよりコミュニケーションがはかれることも多い。いずみはパリザットらと言葉でなく心で通じあうなか、自分の生き方を見つけ、成長していく。

 本作品では、他国語も日本語のセリフも、さらにはバックに聞こえる音(例えばコーランの声など)までも日本語の字幕で説明されている。聴覚障害者の観客を考えてのことであろう。また、目が見えない人でも本作品を楽しめるようにとの配慮からなのだろうか、通常ならセリフではなく役者の目の動きや表情などで語らせたほうが味わい深いように思えるシーンでも、セリフとして発せられていた。(このため、逆に深く感情を移入できずに残念な気もする面もあった。)

 ともかく、誰が誰にどんな感情を抱いているか、登場人物たちの気持ちや性格は誰が観てもわかりやすく描かれている。

 主演の忍足亜希子は、1999年、ろう者をテーマにした大澤監督の前々作「アイ・ラヴ・ユー」のヒロインで女優デビュー。彼女自身、生まれつき、聴覚に障害をもつ。パリザットを演じた少女アフィファは、実際に地雷で二人の姉妹を亡くし、自分の右足も失っている。

 ともすると援助を受ける側であることの多い障害者であるが、彼(女)らも自立して社会貢献ができる、そうしたメッセージも込めながら、今なお戦争が続く世界情勢に、平和のために障害者も健常者も関係なく、自分は何ができるだろうかと考えさせる作品である。(Saiko/ViVa!コンテンツサポーター

投稿者: Saiko  2004年01月01日