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オピニオン "Opinion"
”社会責任”で企業も社会もHAPPYに! by 斎藤 槙
第15回 「NPOのビジネス化」とは? その2 (2004年11月23日掲載)
NPOを助けるNPO−アショカ

アショカ(ASHOKA)のウェブサイト。NPOが十分な収入を得て、経済的に自立すること。優れたマネジメント・スキルをつけて、運営能力的に自立すること。この目標を達成すべく、NPOの支援組織として機能しているNPOが米国にはあるのです。今回は、ワシントンDCにあるアショカをご紹介しますね。
48カ国で社会事業を援助
米国内でのNPO育成を主体とするタイズ・センターとは対照的に、国際的な活動に力を入れているのがアショカです。このNPOは、1982年、マッキンゼーの元コンサルタントで米連邦政府の環境保護局に勤めたこともあるビル・ドレイトン氏によって設立されました。
ユニークな名前は、紀元前にインド亜大陸を統一したアショカ王から来ています。彼の並外れた創造力、グローバルな発想、そして寛容の精神をあやかろうという気持ちを表しています。
団体の使命は、「ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)の仕事を世界中で発展させること」。「教育、医療、環境、人権、経済開発といった各方面で、社会変革を実現するキラリと光るアイデアを持った個人を応援をします」と取締役のケリー・モア氏は教えてくれました。
「アショカ・フェロー」と呼ばれるソーシャル・アントレプレナーは、1982年からこれまでに、48カ国で1400人以上が選ばれてきました。フェローに贈られる助成総額は、年間約700万ドル(約7億7000万円)。毎年150人前後を新しくフェローに選び、収入と様々なサービス提供をしていきます。収入を保証するのは、アントレプレナーたちが持てる時間をフルに使って、自分のアイデアを実現できるようにするため。
アショカは、これを「個人に対する投資」と呼び、ベンチャー・キャピタルと同じようなアプローチを取っています。つまり、事業サイクルにおいて、リスクが最も高い段階にあり、ほかにサポートしてくれるような組織が見つからない時、そして、それほど大掛かりではない投資が、大規模な社会的リターンを生むと考えられる時、そんな時にこそ介入する、という。
専攻審査で問われるものは?
フェローになるには、厳しい選考審査に通らなければなりません。考査の対象とされるのは、次の5つの資質。
・新しいビッグな発想(既存のアイデアに手を加えたようなものではなくて、本当に新しい発想を持っているか?)
・クリエイティビティー(目標の立て方と、その達成の仕方の両方において、独創性を発揮できる人物か?)
・起業家としての素質(アイデアを実現するまでは、決して落ち着いて休んでいられないほど、自分のビジョンに夢中になっているか?)
・発想が社会に与える影響(その発想は、国全体あるいは国外にまで及んで、社会を変えていくようなものか?)
・誠実さ(直感的に信頼できる人物か?)
創設者のドレイトン氏は、アショカが好むフェローの発想として、次のような例を挙げています。「アショカ・フェローとは、例えば、新しい学校を開設するというよりも、より良い教え方を開発するような人。こういう発想は、それが最初に実践された学校を超えて、ずっと遠くまで届く可能性があるのです」。
めざましい投資の成果
アショカでは、1997年以来、毎年、投資の成果を測定しています。2002年の評価では、次のような点が報告されました。
・フェローの97%は、アショカから収入を提供される期間が終了した後も、社会改革プロジェクトの推進に努めている。
・フェローの90%は、他の市民団体や政府機関などが、自分たちのアイデアを真似しはじめたと感じている。
・フェローの49%は、フェローに選ばれてから5年以内に、国の政策に変更があったと言っている。
タイズ・センターやアショカのような組織は、言ってみれば、NPOを助けるNPO。事業型NPOが増え、「自立」の重要性が高まる中、こうした組織が持つ意味はさらに大きくなりつつあるといえるでしょう。彼らもまた、NPOのビジネス化を押し進める力となっているのです。
★お知らせ
●ASU International について
企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility
(社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU Internationalはお手伝いいた
します。
● ASU Internationalのホームページ www.asuinternational.com
□「アメリカ発 企業の社会責任ニュース」2004年11月号目次より
1.グリーン電力パートナーシップ参加が500社超に
2. EPAが通勤による環境負荷を削減した企業を認定
3.ホンダが米国でハイブリッド版アコードを発売
4.米国の2005年モデル、燃費上位7車種が日本車
5. 自主的プログラムによる温暖化ガス排出削減を報告
6.自動車業界の自主的パートナーシップにデンソーが加盟
7. 廃棄物削減プログラムでキヤノンが4年連続受賞
8. EPAと全国都市連盟が児童を環境健康リスクから守る取り組み
9.ラティーノ社会の環境汚染が深刻化
10.オリンパスがグローバル・コンパクトに参加
11. 自然食料品チェーンがフェアトレード月間実施
12. DCでのグリーンフェスティバルが大盛況
13.ヘルシー新メニューが受け、マクドナルドが大幅収益増
14.SRIアナリストがCSR報告の重要性を訴え
15. 9割の労働者が企業の地域貢献活動を重要視
社会責任コンサルタント。ASU International代表。聖心女子大学卒業後、大手広告代理店勤務。退職後渡米し、NY・コロンビア大学国際関係大学院で修士を取得。NYを拠点に企業の社会責任度調査・格付けを行うシンクタンクなどでリサーチ・コンサルタントとして実績を積み、現在は社会責任コンサルタントとして活躍している。著書に「企業評価の新しいモノサシ−社会責任からみた格付基準」(生産性出版)など。
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