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ViVa! 市民活動スクランブル
第3回/CONFERENCE
第3回世界水フォーラムいよいよ開催へ! <2003年3月16日〜23日、琵琶湖・淀川流域(京都/滋賀/大阪)> (2003年2月12日掲載)
http://www.worldwatercouncil.org/
1.水問題の主なポイントと世界水フォーラムの歴史

WWCのホームページ1970年代以降、環境問題に対する関心は国際的に高まり、広がりを見せ、水問題も全世界的な問題として認識され、取り上げられていくようになった。
蛇口をひねれば飲み水が手に入り、高いお金で「安全な水」を買っている日本では意識することも少ないが、世界のほとんどの地域にとって水問題はまさに緊急課題だ。今後も続く世界の人口増加に伴う水不足や、洪水などによる被害は増大し、危機的な状況に陥る地域が出ることが予想されている。水をめぐる争いが国際紛争に発展して地域もある。
現在の世界における主な水問題は次の七点に集約されると言われる。
- 水不足
- アクセスが困難な状態
- 水質汚濁
- 細分化された水管理体制
- 資金源の減少
- 政策決定における認識の不足
- 世界の平和と安全保障の危機
水が潤沢にある日本も他人事ではない。日本は食糧の多くを輸入に頼っているが、海外の生産地では、野菜や果物などの食糧を生産するために、莫大な量の水を使う。そうして育てられた生産物を輸入するわが国は、目には見えないが多くの水を消費している。工業生産品などの日用品もしかりである。
1990年代に入り、水問題の解決に向けてさまざまな水関係の分野の専門家や水の利害関係者が協働する仕組みが必要との認識が出始め、1996年に世界の水問題の専門家、学会、国際機関が中心となって、水に関する国際シンクタンクを目指すべく「世界水会議」(WWC=World Water Council)ができた。
そのWWCが、将来に向けて水問題を解決していくための議論を深め、その重要性を広くアピールすることを目的として提案した会議が「世界水フォーラム」である。3年に一回「世界水の日」である3月22日に合わせて開催され、第1回は1997年にマラケシュ(モロッコ)で、第2回は2000年にハーグ(オランダ)で開かれた。第2回会議では「世界水ビジョン」がまとめられ,閣僚会議における
「ハーグ宣言」によって支持された。
アジアで初の開催となる今回のフォーラムは、「オープンな」「一人一人が創る」「具体的な行動を実現」することを理念に、世界水ビジョンで指摘された「水のフルコストプライシング」(水の価格・価値付け)に関する行動計画が発表されるほか、会議の成果は、世界水行動報告書、閣僚宣言、分科会報告書などにまとめられる予定だ。
2.市民団体の取り組みとさまざまなスタンス

ユースウォータージャパン主催イベントの参加者たちフォーラム開催に先立ち、日本の市民セクターも比較的早くから準備や活動を始めていた。その中心的存在とされるのが、「世界水フォーラム市民ネットワーク」(PFW=People's
Forum on Water)である。
PFWは、水に取り組む団体と協働し、「水を知る・水に学ぶ」ためのプロジェクトを推進する活動を行っている。身近な水について、あるいはグローバルな水事情に関する社会や市民一人ひとりの認識を高め、それぞれの立場で何ができるのかを共に考え、行動していくきっかけになることを目指している。
そのために、関連の市民団体のコーディネートや、関係行政機関、産業界との連携を始め、学習会開催、ホームページによる普及啓発を行っているほか、フォーラムに連動した市民シンポジウム、セミナー、交流ワークショップなどのさまざまなイベントを企画している。
また、水の「自由化・商品化」について考える分科会や、地球温暖化と水問題の関係、ユースウォータージャパンによる若者の参画などのプロジェクトも連動している。ユースウォータージャパン福岡では、2月15日(土)〜3月11日(火)に福岡市、久留米市、北九州市で、全5回の直前集中講座も行う予定だ。
ただ、水フォーラムに対する日本のNGOやNPOなどの市民セクターは、必ずしも「一枚岩」ではない。
例えば、水のフルコストプライシングについては、水を経済財として扱うことにより企業などによる水の占有が進み、誰でも水にアクセスできることに逆行するという主張がある。また、今回の会議を運営する「第3回世界水フォーラム運営委員会」(橋本龍太郎会長)は、政府と関係機関が作った組織体のため、「官が主導権を握りすぎ」との批判や「参加費が高すぎて市民には手が出ない」など、さまざまな指摘がNGOセクターから出ている。
そうした中、世界水フォーラムを機に市民自身の水問題への関心を高め、提言、活動していこうとしているNGO数団体によるアクションが、開催前日の3月15日から閉幕以降にかけて、京都などで多く行われる。内容は、民営化、商品化、ダム、メガプロジェクトに反対する戦略会議(15日)や、反世銀/IMF/ADBアクション(16日)、公開セミナー「世界銀行、IMF 、ADBに反対するシンポジウム・反ダム、反民営化「水資源開発における国際金融機関の役割」(同)、水の民営化に関する記者会見(19、20日)、 会議場前での反民営化アクション、オープン ディスカッション 、写真展(21日)、ワークショップ(22日)−−など。
さまざまなスタンスで水問題に取り組む市民セクターの意見や活動を知る絶好の機会といえよう。
3.一般市民のIT参加の場も用意
では、NGOなどの市民団体で専門的な活動を続ける人以外のごく普通の市民が、世界水フォーラムになんらかの形でかかわりたい、参加したいと思ったらどうすれば良いのだろうか。会議に参加したいと思っても、実際には時間や費用がかかったり、言語の問題があったり、途中参加者は経緯が分からなくなったりと挫折しがち。
そこで、今回の会議では、データベースやインターネットを使って、一般の人が「メッセージ」を伝えるユニークな取り組みが行われている。水問題に興味がある、世界の水問題に関する議論の中に入ってみたいと思ったら、すぐに参加することができる。
その一つ「水の声プロジェクト」は、世界の様々な地域における草の根レベルでの水の現状や意見、要望(水の声)を集めるもの。フォーラムに世界のあらゆる人々の声を反映させることを目的とし、水に関心がある誰もが「メッセンジャー」になることができる。すでに、「水は命の源であり、水のおかげで生きられる」というようなメッセージから、「養殖池のために農地が奪われている」
といった報告まで、400以上が掲載されている。
また、「ヴァーチャルフォーラム」は、インターネット上に設けたテーマ毎の会議室で、フォーラム開催までに水問題についての議論を盛んにすることを目的としている。議論に参加するにはID登録の必要があるのだが、見るだけなら登録なしでも可。言語の壁は薄くはないが、インターネット上のディスカッションであれば、多少時間がかかっても翻訳したものを発信することができる。自分の意見を発言したいのにできない、という歯がゆい思いも少しは解消されるかもしれない。
ただし、これら2ページとも、メッセージや議論は原則英語で展開されている。それぞれ翻訳機能があり、だいたいの意味を掴むことは可能のようだが、翻訳の精度は今ひとつ。また、ITやインターネットに強くない中高年層はどうするのかなど、まだまだ課題は多い。
インターネットやITを利用するのもいいが、関心を持ったら、まずは水問題にに取り組むNGO・NPOなどの市民団体やネットワークが主催するイベントに参加したり、資金や活動面で応援するなど、自ら「オフライン」の活動を始めてみることが基本だろう。
「水の世紀」になると言われる21世紀。日本で行われる第3回世界水フォーラムを機に、一人でも多くの人が水問題に関心を持ち、行動を起こすことが必要だろう。
(後藤隆/野口朋子)
本文に登場した主な団体等のURL
(参考)第二回世界水フォーラム
http://www.worldwaterforum.net/
