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サンフランシスコ 1・18 ピース・レポート写真展 "PEACE MARCH"
<2003年2月6日~18日、東京・目黒区・代官山ギャラリー>
緊迫するイラク情勢。アメリカ政府が戦争への準備を着々と進める一方で、戦争反対の機運が世界中の市民の間に広がっている。2003年1月18日には、アメリカの反戦平和運動に呼応して、世界各地で戦争とイラク攻撃に反対するさまざまなアクションが起き、日を追うごとにそのうねりは増し、広がり続けている。
写真家の瑳山ゆりさんは、アメリカのサンフランシスコで平和を求める市民が行った「平和のための行進」に参加。現地の様子を撮影した。それらの写真を展示した「サンフランシスコ 1・18 ピース・レポート写真展 "PEACE MARCH"」が、2月6日から18日に、代官山フォトギャラリー (東京都目黒区)で開催された。
■マスコミへ写真で「No War」のメッセージ
写真展の会場は代官山駅から徒歩数分。土曜日ということもありコンスタントに人が訪れては写真に見入っていた。会場には静かな音楽が流れ、「ピースパン」(後述)や木製のカウチがディスプレイされたゆったりとした雰囲気で、いわゆる「反戦」という言葉とはちょっと違った感じを受ける。
展示された写真は主に人物が被写体のカラーとモノクロで3、40点。「NoWar」を掲げる人々の姿をしっかりと伝えながら、どこかやわらかさを感じさせる作品が多い。
幸運にも当日、会場で瑳山さん本人に会うことができた。写真展のテーマを聞くと、「マスコミによるコントロールへの対抗」と話す。
アメリカ国内では、運動が行われた以外の地域では、その動きがなかなか伝わっていないとのことで、そうした報道の姿勢についての疑問も口にしていた。例えば、サンフランシスコでは20万人が参加(主催者発表)したにも関わらず、翌日の新聞は4万人と報道され、後日誤報を認めて15万人へ訂正された経緯もあるという。
そうしたマスコミの姿勢に対してアーティストとしてできることを考え、現地の状況を日本の市民に伝える写真展を開催することにした。
■「アート」で伝える、伝わる活動
次に瑳山さん自身のテーマについて尋ねると、「オーガニックライフ」との答えが返ってきた。現在はこのイラクの問題が立ちはだかってしまったので取り組んでいるが、並行してエネルギー・食・暮らし・教育などすべてにおいてオルターナティブなものを提案していく準備をしておく。そして、平和になったらそのテーマで活動を行いたいと言う。
「『反対!』と声高に叫ぶのではなく、やさしく、分かりやすい『アート』として見せ、伝えていきたい」と話す瑳山さん。そうした姿勢はアートにとどまらない。冒頭で紹介した「ピースパン」企画はその好例だ。
サンフランシスコの平和の行進でも目立っていたピースパンチームの取り組みに惹かれ、写真展開催期間中に販売することを思い立った。いつの日か、美味しいパンがすべての人々の手にとどきますように・・そんな願いをこめて会場近くのパン屋さん「ラ・ブランジェ・ナイーフ」にお願いし、焼いてもらって販売した。この企画、なんと飛び込みでお願いに行ったというのには驚かされる。しかも写真展後もそのパン屋さんでピースパンは継続販売される予定。瑳山さんの人柄を表すエピソードだ。
ところでこのピースパン、詳細は不明だがベトナム戦争時からあったらしい。余談になるが、ピースマークは1960年代~70年代前半にかけてベトナム戦争反戦のシンボルマークとして使われた。デザインの元は、平和のシンボルであるハトの足。先が三本指に分かれて見えるハトの足を円で囲ったマークを平和を暗示させるシンボライズしたものである。
写真展は、作品数を減らして引き続き2月21日(金)から3月7日(金)まで、渋谷のパルコパートIII Wall Galleryで開催される。ぜひ多くの人に足を運び、見て、感じてもらいたい。ちなみに瑳山さんに、ピースパンの販売予定は?と尋ねると、「うーん。。」と少し考えてからおもむろに、「パルコにもパン屋さんないかな?」
今度はまた違う味のピースパンが食べられるかも?
(フリーライター 野口朋子)
瑳山ゆりさんのプロフィール
'88 PARCO「期待される若手写真家20人展」入賞をきっかけにポートレート・ファッション写真撮影を中心に、広告、CDジャケット、エディトリアルを手がける。'96より、季刊誌「SOLA」の編集に携わり、オルタナティブライフに興味をもち、エコロジー、オーガニック、サスティナブル(永続可能な)をキーワードに活動。'00より、コミュニティーイベント”BeGood Cafe”スタッフ。 '02オーガニック・コミュニティカフェ”アリエルダイナー”をプロデュース。
関連サイト
WORLD PEACE NOW