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JVCA=Japan Volunteer Coordinators Association

協会編の入門書「ボランティアコーディネーター」「ボランティアとして活動したい!」という人がいれば、ボランティアの力を必要とするNPOなどの団体がある。でも、両者がいつも幸運な出合いをするとは限らない。活動できる場所や助っ人が結局見つからなかったり、あっても「求めていた人と、場と違う」という結果になったりすることも。そうしたすれ違いやミスマッチを防ぎ、市民と市民、組織のパイプ役となって、ボランティアが現場で力を発揮できるようサポートする専門職が「ボランティアコーディネーター」だ。NPO法人日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)は、市民社会の創造に向けて、ボランティアコーディネーターをネットワーク化し、専門職としての確立と社会的な認知度を向上することを目的とする全国組織だ。
■自発的な取り組みから全国組織へ
「ボランティアコーディネーター」といっても、耳慣れない人が多いかもしれない。それもそのはず。言葉自体が一般に普及してきてまださほど歴史が経っていない。ただ、組織でボランティアを受け入れたり、ボランティアスタッフを求める組織とボランティア希望者のマッチングをする取り組みは、それ以前からに全国で自発的に行われていた。
「以前は『需給調整』という言葉で呼ばれることもあって、ボランティア活動をしたい人と望む人の調整をする、いわば仲介者としての役割が中心でした」 JVCA事務局長の後藤麻理子さんはこう話す。自身、東京都北区社協でコーディネーターを行ってきた中でその重要性を実感。現在は、福祉関係の仕事を本業とする傍ら、事務局長を務めている。
「1983年に、大阪ボランティア協会の呼びかけで関係者が懇談会が開いたのが最初のきっかけです。各地で取り組みはありましたが、ニーズの把握や紹介がうまくいかないことが多く、特に福祉の分野では、今のように介護保険もなくお年寄りや障害者を支えるサービスが十分にある状況ではなかったので、在宅でのニーズに応えるため必要性が高まっていました」
そこで、「どうすればうまくいくのか」「手配師のような役割でいいのか」という問題意識を出発点に懇談会を続け、92年の「近畿ボランティアコーディネーター研究集会」で初めてこの呼称に。
その後、東西持ち回りでほぼ毎年研究集会を開催。コーディネーターの役割や社会的な位置づけなどについて活発な交流が行われ、参加者も年々増加した。しかし、実行委員や運営委員には「研究集会での成果を積み上げなくていいのか」という共通した問題意識が生まれていた。年に一回集まって議論はそこで盛り上がるが、次の活動へはつながりにくい。単発ではなく、継続的に議論や研究、発表する場を設けて、現場の活動に生かす拠点が必要なのでは――
協会設立の気運は一気に高まり、2000年に準備会を設置して、約1年かけて全国組織のあり方などを共有し、2001年1月に任意団体として設立。半年後には東京都からNPO法人の認証を受けた。現在正会員が約250人いるほか、準会員や賛助(個人・団体)会員もいる。
■多様なボランティアコーディネーターの"要役"に

全国ボランティアコーディネーター研究集会2003の分科会の様子 では、そもそもボランティアコーディネーターとはどのような立場で、どんな仕事をする人たちなのだろうか。後藤さんに聞いた。 「一番多いのが、全国各地の社協で相談業務をしている人が職名として使っているもので、歴史も長いですね。最近は文部科学省が管轄する生涯学習センターに置かれているケースがあるほか、まちづくりや芸術文化活動の分野でも活躍しています。国際交流の分野では『プログラムコーディネーター』などの名称を使って類似の仕事をしていたり、ボランティア活動の情報を提供している企業や大学の担当者の場合もありますね」つまり、「ボランティアコーディネーター」という確たる資格や制度的な背景があるわけではなく、コーディネートを行う人を総称してこう呼ぶわけだ。
JVCAはそのネットワークの「要役」として、ボランティアコーディネートを行う人を支援するほか、そう名乗っていなくてもボランティアの応援を行っている人たちを応援し、専門性を高め、認知を高めるための活動を続けている。
具体的な事業としては、まず、専門性を高めるためのボランティアマネジメントなどの研修を各地で開催している。講師派遣の依頼も多く、JVCAの活動財源基盤になっている。また、ニュースレターやブックレット発行など、情報の収集や提供も大事な仕事。ホームページによる情報発信に加えて、ボランティアコーディネーションに関する情報を収集しデータベース化する計画もある。
こうした仕事を事務局専従スタッフとして担っている高島紗綾さんは宮城県出身。大学時代からボランティア活動に興味を持ち、NPO支援センターのスタッフなどを経て、現在の職場に。
「『一人職場』、兼務で講座の企画を立てたり、受け入れプログラムを創ったりしているボランティアコーディネーターと電話で話す機会もありますが、私自身通常一人事務局なので、一人の大変さというのにはいつも共感します。しかし、共感するだけではなくその先に何を提供できるかが問われているように思います。色々な意味でこれからだと思っています」
一方、全国ボランティアコーディネーター研究集会は、今年は3月に宮城県で開催。550人が参加した。地元で実践している人たちが企画、運営する手法もすっかり定着した。 来年2004年は2月20日~22日に、京都で開催する予定だ。
■スタンダードづくりに注力

後藤麻理子事務局長(右)と高島紗綾さん(左、当時)。 JVCAが今一番力を入れているのが、ボランティアコーディネーターの専門性の追求だ。 「ボランティアコーディネーターのミニマムスタンダードを明確化して、中期的な戦略プランをつくっていきます。具体的には、キャリアやニーズに合わせた研修体系をつくる必要があります。そうして協会としての考えを共有、確認することで、外部への発信などにも生かせます」(後藤さん) 。
現在運営委員や理事などを中心に意見をまとめていて、近く集約し会員に投げかけるという。また、倫理綱領の作成も検討中だ。ボランティアコーディネーターとしての価値観や意識を明文化した、いわば社会に対する誓約書のようなイメージという。
JVCAがこうしたスタンダードづくりを重視するのは、ボランティアコーディネーターに期待される役割が広がっていることが大きい。ボランティア希望者が増えればコーディネーターの出番も増えるが、相談に来る人やその動機は多様化し、市民活動を支援する主体には幅広いセンター機能が求められている。ボランティアコーディネーターには社協をベースで活動してきた人が多く、福祉分野でのノウハウや人脈は豊富でも、環境など他の分野については今ひとつという人たちも少なくない。情報収集・発信のツールやネットワークの広がりなどの点で体質転換を迫られているという。
「市民が主役になって働く社会にしていくためにも、コーディネーターはもちろん、JVCA自身がレベルアップ、スキルアップの努力をしていかなくては。また、行政との付き合い方は大事なポイント。とりこまれず、巻き込まれず、かつ自身の活動評価をしていくかが、ボランティアコーディネーター一人ひとりに求められています」と後藤さん。
JVCAでは、できるだけ多くの相談や問い合わせに応えられるよう、会員やボランティアコーディネーターが活躍する団体へのアンケートによる実情調査とニーズ把握を行い、活動に反映させていく予定だ。
<聞き手:野口朋子(インフォメーション・プランナー)、まとめ:後藤隆(NETS=環境NPOネットワーク)>
関連サイト
日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)