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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2003年08月28日

グリーン電力基金を知っていますか?--市民と電力会社の協働で自然エネルギーを推進

黒岩彰三さん
「寄付を集めることと使うことは車の両輪」と話す黒岩彰三さん
 みなさんは「グリーン電力基金」を知っていますか?太陽光や風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)の普及を進めるため、2000年に電力会社主導で設立された基金です。寄付の受け入れ先及び事務局である財団法人広域関東圏産業活性化センター(GIAC)では、グリーン電力基金のよりよいあり方について、自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)などのNGO・NPOを交えて議論・検討し、助成内容などに反映させています。ここでは、REPPが8月6日に行ったグリーン電力基金セミナーでの、GIACグリーン電力基金事業推進室の黒岩彰三さんのお話を基に、グリーン電力基金をめぐる市民と電力会社の協働や、今後の展望を紹介します。

■NGO・NPOの働きかけ

 グリーン電力基金とは、「環境に貢献したい、自分の屋根に太陽光発電を設置するのは無理だけど少しでも貢献したい」という人に、月々一口500円を電力料金に上乗せしてもらい、集まったお金と同額を東京電力が出して、合わせて自然エネルギー設置の助成に使う仕組みです。東京電力管内のグリーン電力基金は自管内で、その他の9電力会社のものは各々の管内で利用されています。

 GIACは東京電力管内のグリーン電力基金を運営していて、2000年からスタートし、今回が3回目の助成。現在1万6000人が加入していて、総額は2億3000万円に上ります。

 REPPなどのNGO・NPOは、この基金がより市民性のあるものになるよう働きかけてきました。2000年9月から今まで、自然エネルギー・省エネルギーに取り組む各地のNGO・NPOのネットワークである「全国グリーンファンド連絡会」を開催して各地のグリーン電力基金について意見交換し、よりよい形を探ってきました。

 また、REPPのメンバーが、基金の運営を審議する「グリーン電力基金委員会」に委員として出席し、同連絡会での議論の内容も含めて、審議に市民の意見が反映されるよう努力してきました。こうしたNGO・NPOなど市民との協働の甲斐もあって、グリーン電力基金のあり方は大きく変わりつつあります。黒岩さんは「最初に比べて使いやすい仕組みになってきています」と言います。

 「この3年間いろいろな形の助成を行ってきましたが、今年度と同じ形で来年度からは続けていきたいと思います。今回の締切は9月8日と時間がありませんが、来年に向けて利用を考えていただければと思います」(黒岩さん)。

 昨年までは2000キロワット以上の大規模風力への助成と、東電管外の風力発電に適した場所の多い地域の風力発電に対する助成を行ってきましたが、今回はそれらを止めて、全て、大規模風力ではない、関東圏の助成に回すことにしたそうです。そのため、今回急に大規模風力以外の関東圏での助成額が増えたとか。

「グリーン電力基金」のしくみ
図の説明:「グリーン電力基金」のしくみ。
 「寄付を集めることとそれを使うことは車の両輪ですから、有意義に使うことが重要です」(黒岩さん)。今回、大規模風力以外に助成されることになったのは、太陽光発電だけでなく、風力発電、バイオマス発電、水力発電などで、さらに「普及目的用」と「環境教育目的用」の二つの助成分野に分かれています。

 一つ目の「普及目的用」の助成の目的は、自然エネルギーの量的普及を増やすことです。そのため、20万円/キロワットを助成し(1プロジェクトあたり1000万円まで)、規模が大きくなるほど助成額も増します。対象はNPO法人や、法人格を持たなくてもNPOと同等の活動をしている任意団体、さらに学校法人も含む、公益的団体です。ただし、事業用風力発電は、自治体などだけではなかなか難しいことから、事業者でも可能になっています。

 一方、「環境教育目的用」は、10キロワットや20キロワットの大規模な太陽光発電を設置するのが大変な小学校や中学校で事業を行いたい場合に、例えば小規模な数百ワットの太陽光発電と風力発電のハイブリッド型を電灯用に導入して、環境教育目的に使う、などといった場合に使います。助成金額は、設置費用の85%か200万円のどちらか少ない額で、対象は「普及目的用」と同じです。

足利工業高等学校の太陽光パネル
栃木県立足利工業高等学校の太陽光パネル(2001年度助成)
 グリーン電力基金は、東電管内の一般消費者の人からの寄付を財源としているため、設置場所の条件はそのエリア内です。また、発電される電気が公共的な施設で使われることが条件になります。「環境教育目的用」では小学校、中学校、高校、高専の構内に設置することが条件になります。この場合、教育目的なので発電量の表示などが分かる仕組みが必要です。また、「普及目的用」の場合は、グリーン電力基金からの助成を受けている事業が、他の補助制度も併用していても問題ありません。例えばNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「新エネルギー・省エネルギー非営利活動促進事業」と併用すれば、そちらで50%を助成してもらうことができます。「環境教育目的用」の場合は他との併用はできません。

 採用の決定は、早ければ10月初旬です。普通は単年度予算のために、年度末までに設置を終了しなければならない助成が多いのですが、グリーン電力基金では、2004年度末までとしています。つまり、今応募をして2004年度の計画に組み込むことができるわけです。(記事提供:REPP=自然エネルギー推進市民フォーラム、編集部で一部改稿)

※東電以外の9電力会社の管内でも、グリーン電力基金は実施されています。

関連サイト
グリーン電力基金のホームページ
(平成15年度の助成募集要項、申込書や、平成13年度、14年度の助成先の情報などを見ることができます。また、自然エネルギー推進市民フォーラムも参加している、助成方法や助成規模を審議しているグリーン電力基金委員会のメンバーや議事概要も公開されています。)

NEDOの公募情報

自然エネルギー推進市民フォーラム
(全国グリーンファンド連絡会へのリンクもあります)


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Posted by staff at 14:28

2003年08月26日

つくばコンサート --地方都市で活躍する「音楽会系」草の根NPO 

地方都市で活躍する「音楽会系」草の根NPO

ノバホール外観
ノバホール外観
 ノバホールは、今日ではつくばコンサート実行委員会の主催する「つくばコンサート」や、つくば都市振興財団による「つくば国際音楽祭」が年間あわせて20公演ほどを開催し、他にも多数の公演がある。また複数のオーケストラ、多数の合唱団など地元のアマチュア団体が定期演奏会を開いている。秋は平日を含めてほぼ予約でいっぱいで、人口20万程度の地方都市のホールとしては驚異的な利用率といえよう。

■「つくばコンサート」の発足

 しかし、ノバホール建設1年目には音楽公演がほとんどなかった。そのため、一流のオーケストラを聴けるようにしたいという市民の要望が強くあったが、冒頭で紹介したように、ノバホールの定員はサントリーホールの半分。同じオーケストラの公演を開催するにしても、サントリーホールの満員ベースでやっと成り立つ公演は、当然ノバホールでは経済的に成立しない。そのため、寄付金・協賛金を得てチケットの値段を市民が求めやすいものに下げることが不可欠である。

ノバホールの内部
ノバホールの定員は1003人
 この状況を聞いた大手コンピュータメーカーの富士通が協賛してくれることになったのを機に、ホールの有効活用を求めていた有志が集まり、1984年に市民が企画・運営の全てを担当する「つくばコンサート」が発足した。同社は「金は出すが口は出さない」、「企業の宣伝色を前面に出さない」方針で「つくばコンサート」を協賛して今日に至っている。また、つくば都市振興財団からも、会場賃借料の支援を頂いている。

■市民による企画・運営

  「つくばコンサート」の企画・運営は「つくばコンサート実行委員会」が担い、毎月実行委員会を開き、誰でも企画運営に参加できるオープンな組織になっている。

 つくば市やその近隣の市民数十名からなる実行委員会で討議し、年間5~7回のコンサート企画を決定するほか、予算の作成、招聘音楽事務所との交渉、ポスターなどの作成、宣伝紙の編集・発行、演奏会当日の運営など全てを実行委員会が担っている。運営が素人であろうがプロであろうが、お金を払って聴きに来るお客様には関係ない。このNPOは素人集団の特性を活かし、「世界の音楽を私たちの手で」をキャッチフレーズに、企画を工夫してきた。

 このような素人企画が地方都市で根付くのは困難と思われたが、大勢の人々の熱意と努力と知恵が今日の活動を支え、素人集団のコンサート企画も1999年には100回目の記念演奏会、2003年には20年目を迎えるまでになった。「市民のために市民が企画」する、開催者としての利益は追求しない文字通りのNPOである。ただし、NPO法に基づく「特定非営利活動法人」としての認可を受けて活動しているわけではない。

 年数回発行する新聞「ホワイエ」には、自前の演奏会情報は当然として、ホール予定などの実用的なページも設け、また音楽の雑学コラムなどの様々な読み物も盛り込んでいる。

 チケットを積極的に購入したお客様だけで会場を満たし、集中度の高い大変よい雰囲気を保つ様努めており、演奏家にはホールの響きの良さ、熱心な聴衆の両方で好評を得ており、またお客様にも満足いただいているが、お客様の少ない日には、こんなにいい演奏会なのにもったいない、宣伝が足らないとお叱りを受けることもあり、この点では反省が必要かもしれない。

■これまで招聘した演奏家

公演案内のチラシ
2003年度後半の公演。クラシックからジャズまで幅広い。
 演奏会はクラシック音楽が大半を占めるが、年間1公演はジャズなどクラシック以外の公演に充て、また邦人演奏家の公演を年1回実施してきた。予算の関係で大物を次々に呼ぶのは困難だが、知名度には必ずしもこだわらずに実力があると私たちが判断した演奏家をその都度招聘してきた。

 これまでに招聘した大物演奏家では今はベルリンフィルに移ったサイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団を98年に招聘したほか、ヤンソンス指揮レニングラードフィル、シノポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団、シャイー指揮アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団などがあげられる。

 室内楽では弦楽四重奏の王道を行くスメタナ弦楽四重奏団とアルバンベルク弦楽四重奏団、現代曲では圧倒的な評価を得たラサール弦楽四重奏団、東欧の渋い音を残すバルトーク弦楽四重奏団などを招聘した。

 ソリストでは、本流の大物ピアニストのアシュケナージ、ショパンコンクール予選落ちの異色の大物ピアニスト・ポゴレリチ、東ドイツ難民キャンプで文字通り「発見」された異色のピアニスト・ウゴルスキ、世界的なヴァイオリニストのギドン・クレーメルなどがある。 その中でも極めつけの異色コンサートとしては、作曲家の高橋悠治と、妹でピアニスト高橋アキによる、20世紀音楽ばかりのピアノデュオがあった。一方で、バッハやベートーヴェン初期の時代の様式の楽器、あるいは当時の演奏方法を用いる古楽奏者も多数招聘している。

■あなたの街でも市民企画を!

 こうした市民企画が手探りながら成功して続いているのは、決してつくばの特殊事情ではなく、市民が力を合わせれば可能であるはずだ。

 みなさんの街にも、すばらしいホールはあるけれど音楽行事には残念ながらあまり活用されていないという事情があるかもしれない。そういう場合には、中心となる市民の運営集団ができ、その意義を認めて自社の宣伝効果も認めるスポンサーが見つかれば、あなたの街でも市民企画ができる。

 それぞれの地域に根ざした市民活動が発展する。文化は市民が自らつくり育てる。その代わり、その質を維持し高めていくために、市民が責任をもって関わっていく。私たち「つくばコンサート」の事例をひとつの参考としていただき、そういう活動が全国各地に広がり、発展してほしい。

(歌川 学/つくばコンサート実行委員)


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Posted by staff at 10:44

2003年08月11日

横浜市営地下鉄あざみ野駅で常駐型の駅ボランティア活動

<2003年8月3日、神奈川県横浜市青葉区>
あざみ野駅入口
あざみ野駅入口
常駐型の駅ボランティアを導入した横浜市営地下鉄あざみ野駅に行ってみました。 

■ボランティア活動の経緯

 横浜市営地下鉄では主に他の鉄道と乗り換えのある駅のボランティア活動の一日体験会を平成13年から行っており、これまで上大岡駅(港南区)、新横浜駅(港北区)と活動する駅を増やしてきました。今年度は東急田園都市線との乗換駅あざみ野駅で実施されました。あざみ野駅は港北ニュータウンの玄関駅でここから渋谷や都心に向かう人、また神奈川県中央部から戸塚、新横浜に向かう人などたくさんの利用者がいます。

■ボランティアになるには

「ボランティア活動中」と書かれた看板
「ボランティア活動中」と書かれた看板
 まず4月に駅ボランティアの一日体験会の参加募集がかかりました。応募者は延べ約110人のようです。そこでは講師の指導のもと、車いす利用者、視覚障害者、高齢者のサポートと擬似体験をする3つのグループに分かれ、的確なサポート習得を行ったようです。 体験会終了時にはボランティア証が交付され、参加者は同駅構内で自由にボランティア活動ができるようになります。自由といってもボランティアがあざみ野駅を利用や立ち寄った際に困っている人に支援をする活動ができるということです。





■従来の取り組みとの違い 

市営地下鉄の最新車両
市営地下鉄の最新車両
 車椅子スペースもある市営地下鉄の最新車両。従来も体験会終了の後ボランティア証が発行され自由なボランティア活動を行うということを上大岡や新横浜では行っていました。しかしあざみ野では夏休みに限って「常駐型」を試行してみるということを体験会であらかじめ予告して応募を受けたようです。30名を越える応募者が出たようで、スケジュールを組んでその任務に当たるようです。駅ボランティアは関西ですと神戸電鉄が行っているようです。

■駅ボランティアの将来性

 全国の駅では、平成12年に施行された交通バリアフリー法によってエスカレーターやエレベーターの設置が進んではいます。しかし、お年寄りや視覚障害をお持ちの方にとってはまだまだ自動改札や自動券売機の利用などで手間取るケースが増えるようにも思えます。また、外国人の方のサポートなど人手にどうしても頼らざるを得ない部分も残ります。
 駅は従来、駅業務として駅員が対応すると思われていましたが、今後は駅員とボランティアの両面から数々のサポートをしていく方向に向かうように思えます。

(佐藤成臣/Viva! 編集委員、トラベルライター)

関連サイト
市民活動の拠点としての駅施設

神戸電鉄の駅ボランティアが活動開始


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Posted by staff at 16:20