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スタンレーパーク全景/ハーバーセンター・タワーより 私は2003年9月からワーキングホリデーでカナダに来ていて、現在(2004年3月)は、西海岸の代表的な都市バンクーバーに滞在している。先日、主に移民を対象として開催されているボランティア講座”Volunteering in Canada”に参加してきたので、その様子を紹介したい。
■移民向けにボランティア活動をコーディネート
3月25日(木)、雨の降る中、ボランティアバンクーバーの会議室に到着すると、既に10名ほどの参加者が大きなテーブルを囲んで座っていた。参加者の過半数が中国からの移民のようで、そのほかにイラン、ポーランド、韓国などからの参加者が少数といった感じ。講師は、移民向けに各種サービスを提供しているNPO”MOSAIC”のボランティアコーディネーターを務めるローリーさんだ。
説明会はまず、ローリーさんが参加者にボランティアの応募用紙を配り、それに記入することから始まった。この用紙はMOSAICに保管され、もしボランティアを探すのに更なる手助けが必要であれば、後日ローリーさんと個別に話す時間を取ってもらうことができるとのこと。
質問項目は、名前や住所などの一般的な個人情報から始まり、自分が持っているスキル、どうしてボランティアをしたいのか、どんなボランティアに興味があるのか、いつボランティアできるのか、など、ボランティアを探すにあたっての必要事項を記入するようになっている。
全ての質問事項について、どうやって記入するのかをローリーさんは詳細に説明してくれる。例えば自分のスキルについては、「コンピューターができます。」ではなくて、「Webサイトが作れます、Word、Excelが使えます。」のように、できるだけ具体的に書くようになどのアドバイスがある。
また、どの程度の頻度でボランティアできるかという項目に関しては、今後の自分のスケジュールを考えて、あくまでも無理の無い範囲にするようにとの注意も。例えば、これから仕事を始めようとしているなら、ボランティアをする時間も限られてくることを考慮して書くようにとのことだった。
■「めげずに何度もトライして!」

カナダのボランティア人口と時間 続いて、カナダにおけるボランティア事情が簡単に説明された。
2000年に行われた調査によると、カナダの全人口約2,400万人に対してボランティアをしているのは約650万人(26.7%)で、1年間に1人あたり平均162時間のボランティアをしているとのこと(図)。
この数字にブリティッシュ・コロンビア州(以下B.C.)の最低賃金8$/hをかけてみると相当な額になり、カナダにおいてボランティアがかなり大きな役割を果たしていることが説明された(ちなみに日本では、2001年に行われた調査によると、約3,200万人(28.9%)がボランティアをしているとのこと)。
その後、参加者に、何故ボランティアをするのかという質問がローリーさんから投げかけられ、それに対して「英語を上達させたい」、「誰かを助けたい」、「自分のスキルを活かしたい」などさまざまな意見が出た。
次にどんなボランティアの機会があるのかということが説明され、ボランティア検索サイトの紹介と、活動内容で分類された団体一覧が渡され、それを見て自分の興味のあるものに直接コンタクトを取るようにと言われる。「もしかしたら、ボランティアの機会がなかなか見つからないかもしれないけれども、めげずに何度もトライして!」と、強調しているのが印象的だった。
また、ボランティアによっては一人で行う作業になって、英語を使う機会があまりないかもしれないけれども、それでも周りで誰かが会話しているのを聞くのも勉強になるし、自分から話しかける努力も必要とのアドバイスもあるなど、ボランティアの目的に「英語の上達」をあげている人が多いことを意識して話していることがよくわかった。
そのほか、「責任」や「長期間」がキーワードであることや、その団体で働きが認められれば仕事を探す際に「推薦状」を書いてもらうことができ、履歴書に添付することができるなど、いろいろな情報を入手できた。日本と違ってカナダでは、ボランティアも仕事と同程度の経験とみなされるとのことである。
こうして一連の説明が終了し、最後にボランティアフォームを提出して説明会は終わった。
説明会終了後、2年前にイランから移民してきたという女性と話す機会があった。彼女はイランでCAD(コンピュータ設計)を扱う仕事をしていたのだけれども、カナダではカナダで認定される資格以外は全く効力を持たず、仕事が見つからないという話だった。そのため、もう一度学校に行って学ぼうと思っているとのこと。入学試験も受けたそうなのだが、英語の点数が足りずに入学できなかったそうだ。ここで、暮らしていく際に一番の問題となるのは言語であることを実感させられる話だった。

MOSAICのWebサイト■MOSAICについて
最後に、今回のセミナーを主催しているMOSAICという団体について簡単に説明したい。
MOSAICは、移民・難民がカナダでより良く生活できるように各種サービスを提供している非営利団体で、1972年に始まった2つの団体-Multilingual Social Services、Language Aid for Ethnic Groups-が1976年に合併して誕生した。現在、120人以上のスタッフを抱え、通訳・翻訳、英語クラス、就職サポート、各種カウンセリングなどの事業を行うまでになっている。

カナダの風景 移民の国といわれるカナダの中でも、バンクーバーは移民の率がかなり高い。2001年に行われた調査によると、24万7千人以上の移民がバンクーバーに住んでおり、これは人口の45.9%を占めるという。また、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)の人口の14%がバンクーバーに住んでいるのだが、BCの移民の24.5%がバンクーバーに住んでいるという結果が明らかになっている。
こうした状況を見ると、移民してきた人々がカナダでの生活を快適に送ることができるようにサポートすることは、移民だけでなく、バンクーバー全体の生活の質に関わってくる大きな問題のようだ。MOSAICのような団体の活動が評価される所以であろう。
(野口朋子/インフォメーション・プランナー)
関連サイト
MOSAIC
バンクーバー市の移民に関する調査
http://www.city.vancouver.bc.ca/commsvcs/socialplanning/initiatives/multicult/index.htm
http://www.city.vancouver.bc.ca/commsvcs/socialplanning/info/PDF/socialindicators.pdf