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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2004年04月28日

「ダム撤去」国際シンポ@八代市に参加してきました・その2

ジェームズ・F・ジョンソン氏
ジェームズ・F・ジョンソン氏
 2004年3月25日、日本初の「ダム撤去」となる球磨川流域の八代市でシンポジウムが開催されました。上流の川辺川では長年にわたって議論されている川辺川ダムの中止が決まらないなか、下流では荒瀬ダム撤去があっさりと決まっているという、なんともいえない微妙な状況です。そんな参加をしてみての感想。同月26日にはさらに詳しく専門家向けに勉強会があり、双方に参加しました。

■アメリカの撤去費用は一桁安い

 アメリカでダムが撤去されるようになったのは10年前からで、200箇所がすでに撤去され、290箇所が予定されています。まだ巨大ダム撤去は行われたことがありませんし、予定もされていません。これまで撤去された最大は高さが29mのもの。30mくらいのものが6つほど調査中。

 つまり、高さ25mの荒瀬ダムは、大きさとしては中の小くらいですが、撤去されたもののなかでは大きい方に分類されます。すごいですねぇ~熊本県も!で、しかも、撤去費用が、荒瀬ダムは約60億円といわれていますが、アメリカでは一桁安い・・・それはなぜ?という質問に「たぶん、民家が廻りにないから」とのこと。うひゃ。もしかしたら、これほど民家が隣接している事例はアメリカにもなさそうです。

 また、ウェグナーさんが雑談のなかで話しておられましたが、「日本の技術は世界に誇る力があるのだから、むしろ、これからは日本が発信することになるのではないか」と。ほんとうに、そうですね。アメリカよりも、ともかくその気になってやり始めたらきっと早い!

 アメリカでは、すでにダム撤去工事が「利権」がらみになっているようで、ジョンソンさんいわく、「力のある政治家がいるところでは早く撤去ができる」と、撤去工事の取り合いになっているとか。日本も早くそうなって欲しいと言ってよいもんだか、悪いもんだか~(^、^;

■ダム撤去が日本の公共事業を救う?!

ダム 実はアメリカでも、大きな問題は、撤去費用を誰が負担するかということのようです。撤去したほうがいいとわかっているダムでも、費用負担者間での合意をするのが難しい事例があるとか。うーむ。もしかしたら、日本では、急がれている産業構造の変革ですが、じり貧の土建業界、息絶える前に、がんがんダム撤去をやって日本でのアンバランスな大規模公共事業費をともかくそちらに廻すという考え方もありえますね。

 ダム撤去最大の課題は、堆積物をどうするかということ。なにしろ、有害物質と化しているヘドロなどを含め、膨大な量になるわけです。このあたりが海への影響を含めて最も心配なところ。アメリカでも苦労をしているようです。

 ということで、お二人のとても明快な理念とお話に感動しつつ、なんと、熊本では、川辺川ダム問題を通して、ちゃんと合意形成などのやり方を学んでいると実感しました。アメリカでも苦労は絶えないわけで、熊本県は、ほんと、すごい・・・。

 日本でも、アメリカでダムを造らないという理念が広く伝わるきっかけとなった「世界ダム委員会」(世界銀行(世銀)と環境NGOの世界自然保護連合が主導的な役割を果たしました。直接の契機となったのは、世銀の業務評価局が1996年9月に実施したダム事業に関する事後評価である。詳しくはhttp://www.dams.org/news_events/outline_jp.htmで)がもっと広まるといいなと思いました。こちらの報告書が流通すれば、「住民討論集会」の環境討論集会で議論されていることが、すでに世界的に当然のことだったりするわけですから・・・。

(全文は膨大ですが、簡潔にまとめたものが翻訳されています。
  【世界ダム委員会(WCD)市民ガイド日本語版】
  500円(送料別)で入手できます。ご連絡はE-mail: rwesa@foejapan.orgへ)

■川辺川ダムめぐり蓄積された力の大きさを痛感

 今回のシンポジウムは、川辺川ダムをめぐって皆さんが蓄積された力の大きさを改めて痛感することができる機会ともなりました。

 イラクへの自衛隊派兵など、アメリカのやることには、なんでも追随しがちな日本社会。環境と経済のバランスからダムをやめるということこそ、ぜひとも、追随していただきたいですね。ただし、環境政策では、次々と失策をしている面もあるアメリカですから、なんでもかんでも追随というわけにはいきませんよね。念のため。 また、国交省は、「日本は川の傾斜があるので、ダムが必要」という言い方をしていますが、これについては、大熊先生が、「だからこそ、堆砂しやすく、後からの堆積物の問題が大きくなる」と指摘しておられました。 大熊先生のお話が素晴らしかったです。むしろ、アメリカの方たちも大熊先生がおっしゃる日本の伝統的な治水法について学ばれるといいのかもしれません。美しい石積み工法など日本独特のものもあるのですから・・・。

 また、裁判で農水省が敗訴して、2003年6月から着手されていた新利水計画の策定は、頓挫中です。あれほど、中立公平なということで農家の意向調査を行ったはずなのに、「川辺川ダムからの利水が最も安価(=ダムそのものの費用はまったく考えず、農家にとって安価という意味)」という調査結果を出してくるので、とても原告団は受け入れることができないといっているところです。このまま膠着状態を続けてもどうなるのかさっぱり予想がつきません・・・

 奥歯にものがはさまったように「川辺川ダム」が宙ぶらりんな状態。やっぱり、本来なら、何もかも含めて流域を調査すること、市民がどんな流域の河川計画を求めているのかから話し合っていただきたいものですね。それができたらどれだけ素晴らしい球磨川になることでしょう~(^。^

 球磨川沿いに八代から人吉に向かう肥薩線の旅は、列車から荒瀬ダムを見ることができます。のんびりと球磨川下りをする船などをみながらお勧めのコースです。

 皆さまも、ぜひ、撤去される荒瀬ダムを見に行ってみませんか?

(高橋ユリカ:ジャーナリスト/川辺川・東京の会)

高橋ユリカ(たかはし・ゆりか)
ジャーナリスト。東京生まれ。早稲田大学第一文学部在学中に、米オレゴン州立大学へ交換留学生として留学。卒業後、文化出版局に就職し雑誌編集に携わった後、フリーの編集者、ライターになる。また、川辺川・東京の会で市民活動に取り組み、著書に、『誰のための公共事業か-熊本・川辺川ダム利水裁判と農民』や、大腸がんの闘病体験を書いた『キャンサー・ギフト/ガンで死ねなかったわたしから元気になりたいあなたへ』、『病院からはなれて自由になる』、『医療はよみがえるか~ホスピス・緩和ケア病棟から』(岩波書店)などがある。環境や公共事業、医療など広範な社会問題について取材、執筆している。

関連サイト
川辺川ダム

川辺川ダム関係情報のHP

「リバーポリシーネットワーク」


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Posted by staff at 11:17

2004年04月24日

“Volunteering in Canada!"――カナダ・ボランティア事情 その2 コミュニティラジオ局「Co-op Radio」訪問記

番組放送中
番組放送中
 私は2003年9月からワーキングホリデーでカナダに来ており、現在(2004年3月)は、西海岸の代表的都市バンクーバーに滞在している。先日、ボランティアベースで運営されているコミュニティラジオ局「Co-op Radio」が毎月1回行うボランティア説明会に参加してきたのでその活動内容などを紹介したい。

■週に90以上の番組をボランティアが製作

 今回説明をしてくれたのは、有給スタッフの一人であるリラさん。参加者は私の他に、音楽を演奏したいという男性1人と、メディア関係の勉強を始めるのでラジオ放送を経験したいという男性1人の計3人だったのだが、毎回大抵10名前後の参加者があるということで、彼女は今回の少なさに驚いていた。

 まずは簡単な自己紹介をしてから、リラさんがCo-op Radioの成り立ちや運営の仕組み、プログラム内容などについて説明をしてくれた。

スタジオをセットアップするスタッフ
スタジオをセットアップするスタッフ
 Co-op Radioは、共同出資で運営されているコマーシャル無しのFMラジオ局で、1974年にラジオ放送の許可を得て、1975年に初めての放送を行ってから今日まで30年の歴史を持つ。先住民や移民の人々など社会で軽んじられがちで声を上げにくい人々の声、コミュニティの声を代表することを目的としており、現在は週に90以上の多様な番組が放送されているのだが、それらの番組は全てボランティアによって製作されているというのが最大の特徴である。

 番組は、「社会問題」、「音楽」、「芸術」、「英語以外の言語放送」という4つのカテゴリーに分類され、できるだけ多様性を持たせるようにという観点でプログラムは構成されている。ただし、人種、性別、宗教批判などに関連した番組は認められていない。新規番組の提案も随時受け付けており、その採用率は約50%程度とのことであった。ただ、放送枠には限界があるため、もし空き時間がなければ順番待ちのリストに登録して待つことになるという。

 番組の中には20年以上の歴史を持つものもあるとのことで、例えば、ラテンアメリカの政治、文化、音楽などの情報をスペイン語と英語のバイリンガルで放送している「Ameica Ltatina al Dia」は27年、様々な話題について街頭インタビューを行う「Redeye」は20年の放送歴があるとのこと。長く続いているので安心して聞けるといういい点もあれば、その反面、それだけ続いていると変えるのが難しいという事情もあるようだった。

■Co-op Radioの運営の仕組み

番組放送中の様子
番組放送中の様子
 Co-op Radioの活動はそのほとんどがボランティアによって運営されており、現在活動しているのは約400名。ボランティアになると月に最低2時間の事務所での活動(電話かけ、掃除など)をすることが求められる。

 また、ラジオ番組制作のボランティアをするためにはCo-op Radioのメンバーになって会費を払う必要がある。さらに、それぞれの番組には1時間の放送枠ごとに毎年700CND(1CNDは約80円)の資金を集めることが義務付けられているとのことだが、90%以上のボランティアが何かしらの番組制作に関わっているという。

 ボランティア以外に有給スタッフとしてパートタイムが4人いて、それぞれが「会員管理・渉外」、「ボランティア」、「会計」、「技術」を担当している。他に職を持っているスタッフもいるが、リラさんはここでの仕事に専念しているとのこと。給料は月1,400CND程度なので決して高くはないし、パートタイムといっても仕事は忙しい。また、時間は不規則なので大変なところもあるというが、協同組織なので保険なども完備されており、カナダの経済状況が低迷している中では悪くない労働条件といえるのではないだろうか。それに、スタッフは何より、働き甲斐のある職場だから楽しいと話してくれた。

■Web radioサービスの開始を準備中

各番組のメッセージBox
各番組のメッセージBox
 一通り説明を聞いた後、リラさんについて事務所の設備を見せてもらった。2001年に設立当時のスタジオから程近い現在の場所に移ったとのことで、中はまだ新しい(建物自体はかなり歴史があるとのことだが)。1階と中2階があり、中2階には小さなオフィスが2つとミーティングスペース、1階には2つの放送用スタジオとレコーディング用のスタジオが1つあり、更に3つ目のスタジオを使えるように現在準備中とのこと。

 私が訪問した時には一つのスタジオで男性が番組を放送し、3つ目のスタジオでは技術スタッフのダンがケーブルに囲まれて作業中だった。その他、それぞれの番組へのメッセージボックスや、いろいろなイベント情報の掲示板、音楽番組で使えるようにCDが満載されたラックなどがあり、事務所自体とてもよく整理されている印象を受けた。

 実はこのスタジオ、麻薬中毒の患者が多いことで有名なダウンタウン東側の地域にある。技術スタッフのダンさんに怖くないのかと尋ねたところ、建物の周辺には監視カメラが設置されているし、特に問題はないとの答えが返ってきた。

 また、Co-op Radioがこの地域にあり、多様な立場から発信し続けていくことには大きな意味があると思うとのことだった。さらに、将来的にはラジオなどの放送技術の訓練プログラムなども提供していきたいという計画があるとも話してくれた。

ラック一杯のCD
音楽番組用のCDはラックに一杯
 最後にリラさんに、一番の課題は何かと質問したところ、すぐに「資金」との答えが返ってきた。予算は年に18万CNDで、現在約2,000名いる会員からの会費や寄付、バンクーバー市などからの資金提供を財源にギリギリで運営している。

 少しでも出費を抑えるために、必要な物品については寄付を募ったり、ボランティアという人的資源を最大限に活用してCo-op Radioの活動を継続させようとしているそうだ。

 Co-op Radioは残念ながらまだWeb radioのサービスはないが、現在開始に向けて準備中とのこと。Webサービスが開始されたら、多様な人々がつくりあげているCo-op Radioをぜひ一度聞いてみてほしい。

(野口朋子/インフォメーション・プランナー)

関連サイト
Co-op Radio

バンクーバー市


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Posted by staff at 11:07

2004年04月12日

「ダム撤去」国際シンポ@八代市に参加してきました・その1

ダム 2004年3月25日、日本初の「ダム撤去」となる球磨川流域の八代市でシンポジウムが開催されました。上流の川辺川では長年にわたって議論されている川辺川ダムの中止が決まらないなか、下流では荒瀬ダム撤去があっさりと決まっているという、なんともいえない微妙な状況です。そんな参加をしてみての感想。同月26日にはさらに詳しく専門家向けに勉強会があり、双方に参加しました。

シンポジウムの概要
■国際シンポジウム 【この日本初の「ダム撤去」がもたらすものは。】

日時 2004年3月25日(木) 開場18:30 開演19:00
 主催 美しい球磨川を守る市民の会
    リバーポリシーネットワーク
 後援 八代市 坂本村 八代漁業協同組合

講演/パネルディスカッション
デビッド・L・ウェグナー氏(元開墾局研究者)
ジェームズ・F・ジョンソン氏(元陸軍工兵隊最高幹部)
村上 哲生氏(名古屋女子大学教授)
大熊  孝氏(新潟大学教授)

■画期的な撤去決定、でも、合意形成は終わっていた…?

パネルディスカッション
パネルディスカッション
 荒瀬ダムは、昭和30年に電力供給を目的に造られた県営ダムで、河口から13kmのところにあり、その10km上流には瀬戸石ダムもあります。この2つのダムがなくなれば、球磨川はおよそ100kmにもわたってダムがない、今の日本では、夢のように素晴らしい川になるのですね。

 自然の回復力はすごいといいます。ダム撤去が決まって、ゲートを開放し続けたときところ、いくつもの瀬が復活し、川の流れはみごとでした。撤去されたときの川を思い描くと、胸がときめきます。

荒瀬ダムができた当初は、「バラ色の未来」が見えてきたようで、観光客が大勢集まったそうですが、地元坂本村の人たちはじきに予想もしなかったダムの弊害に悩むようになりました。

 春になると川が黒く見えるほどたくさんのぼってきた稚鮎が、荒瀬ダムを越えることができなくなり、鮎もほかの魚も激減。堰きとめられた水はにごりました。おまけにすぐに水害が起こるようになり、放流の際には家が震動して壁にひびが入るなどの被害が生じ、村民にとってダムは大きな問題でした。

 今回の撤去決定は、50年という水利権更新の時期が迫ったこと、県内での電力供給に占める割合が0.7%にしかならず、電力需要が増えていないこと、ダムの老朽化、などを理由に、潮谷知事が7年後の撤去を提案、県議会で決定されました。

 シンポジウムでウェグナー氏とジョンソン氏がくり返し訴えられたことは、次の4点です。
 1)合意形成のプロセスが大事
 2)流域全体を見ることが大事
 3)住民、研究者、行政の協力関係が大事
 4)経済と環境の視点、バランスが大事

 いかにして、1)~4)を検討するかということに主眼があったのですが、なんと、荒瀬ダムの事例がすごいことは、すでに、1)の「合意形成」はあっさり終わっていた・・・(^-^;
 「撤去」について反対をする意見は地元にはほとんどありません。誰の目から見ても、ダムを存続する理由が見当たらなかったというわけです。

 そして、できるだけ広い範囲でステイクホルダー(関係者)を参加させて合意形成を行うこと、など具体的にその説明を伺ってみると、熊本では、川辺川ダムをめぐる「住民討論集会」ですでに、こうしたレッスンを積み重ねているように感じました。すでに、「荒瀬ダム撤去委員会」が開催されていますが、市民の代表も参加して、会議はすべて公開されています。

 また、3)の協力体制について、「住民討論集会」で培った熊本式民主主義も、まだまだ難点があるものの、アメリカ人にひけをとらないうまいやり方なのだろうと思っています。今後は、具体的に検討されていく撤去方法など、広く市民からの意見なども反映されていくことが期待されます。全国初の撤去事例が、全国のラストランナーのひとつになりそうな「川辺川ダム」でのプロセスから学んでいるというのも、だからこそ市民が苦労をして積み重ねてきた甲斐があるともいえますが、なんだか皮肉なことですね~(^-^;

■ダム・マフィアとの闘い~アメリカも大変だった

デビッド・L・ウェグナー氏
デビッド・L・ウェグナー氏
 ただし、どうやら、現状2)の「流域全体を見る視点」がまったく不足しているようです。環境調査を「瀬戸石ダムから下流」について予定しているそうで、いくらなんでも、よろしくなさそう。現在、河口も八代海までということで変更するようなので、ぜひとも、これを機会に流域全体を調査するといいですよね。もちろん、現状、このような半端なことになっているのは、上流に計画されている川辺川ダムに触れたくないということも大きいと思います。

 アメリカでは、費用対効果など「環境と経済のバランス」を考え、だんだんに、環境に対する価値が高まり、「持続可能な環境政策」を社会全体が共有するなかで、30年前からダムは造らなくなったそうです。

 具体的には、1969年に「全米環境政策法」が実施され、環境の質と経済発展の位置づけが同等になったことが大きかったとのこと。しかし、レーガン大統領のときに「議会の人たちがこういう概念が好きじゃなくて(通訳の方の言葉です)」しばらく元に戻ってしまいましたと・・・(^、^; アメリカでも決して、スムーズにことが運んだというわけではなさそう。

 「ダム・マフィア=ダムの利権屋さん~」との闘いという政治的苦労は大きかったようです。ブッシュ大統領も色々と都合が悪いことには反対するようですが、なんのことはなく、某建設会社の社長もされているそうですね~(^0^;

 ダムが造られなくなったのは30年前ですが、それからも、まだまだ、政策転換がすぐに直角に行われたということではなく、理念を詰めていくためには何年もかかっているようで、2000年になって、ジョンソンさんがリーダーシップをとってまとめたのがPlaningGuidanceです。(700ページを70ページにしたというもの。700p全文がアップ可能です↓)
http://www.usace.army.mil/inet/usace-docs/eng-regs/er1105-2-100/basdoc.pdf
(つづく)

(高橋ユリカ:ジャーナリスト/川辺川・東京の会)

高橋ユリカ(たかはし・ゆりか)
ジャーナリスト。東京生まれ。早稲田大学第一文学部在学中に、米オレゴン州立大学へ交換留学生として留学。卒業後、文化出版局に就職し雑誌編集に携わった後、フリーの編集者、ライターになる。また、川辺川・東京の会で市民活動に取り組み、著書に、『誰のための公共事業か-熊本・川辺川ダム利水裁判と農民』や、大腸がんの闘病体験を書いた『キャンサー・ギフト/ガンで死ねなかったわたしから元気になりたいあなたへ』、『病院からはなれて自由になる』、『医療はよみがえるか~ホスピス・緩和ケア病棟から』(岩波書店)などがある。環境や公共事業、医療など広範な社会問題について取材、執筆している。

関連サイト
川辺川ダム

川辺川ダム関係情報のHP

「リバーポリシーネットワーク」


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Posted by staff at 13:42

2004年04月07日

「World Report“Volunteering in Canada!"――カナダ・ボランティア事情 その1 ボランティア説明会「Volunteering in Canada」体験記」

スタンレーパーク全景
スタンレーパーク全景/ハーバーセンター・タワーより
 私は2003年9月からワーキングホリデーでカナダに来ていて、現在(2004年3月)は、西海岸の代表的な都市バンクーバーに滞在している。先日、主に移民を対象として開催されているボランティア講座”Volunteering in Canada”に参加してきたので、その様子を紹介したい。

■移民向けにボランティア活動をコーディネート

 3月25日(木)、雨の降る中、ボランティアバンクーバーの会議室に到着すると、既に10名ほどの参加者が大きなテーブルを囲んで座っていた。参加者の過半数が中国からの移民のようで、そのほかにイラン、ポーランド、韓国などからの参加者が少数といった感じ。講師は、移民向けに各種サービスを提供しているNPO”MOSAIC”のボランティアコーディネーターを務めるローリーさんだ。

 説明会はまず、ローリーさんが参加者にボランティアの応募用紙を配り、それに記入することから始まった。この用紙はMOSAICに保管され、もしボランティアを探すのに更なる手助けが必要であれば、後日ローリーさんと個別に話す時間を取ってもらうことができるとのこと。

 質問項目は、名前や住所などの一般的な個人情報から始まり、自分が持っているスキル、どうしてボランティアをしたいのか、どんなボランティアに興味があるのか、いつボランティアできるのか、など、ボランティアを探すにあたっての必要事項を記入するようになっている。

 全ての質問事項について、どうやって記入するのかをローリーさんは詳細に説明してくれる。例えば自分のスキルについては、「コンピューターができます。」ではなくて、「Webサイトが作れます、Word、Excelが使えます。」のように、できるだけ具体的に書くようになどのアドバイスがある。

 また、どの程度の頻度でボランティアできるかという項目に関しては、今後の自分のスケジュールを考えて、あくまでも無理の無い範囲にするようにとの注意も。例えば、これから仕事を始めようとしているなら、ボランティアをする時間も限られてくることを考慮して書くようにとのことだった。

■「めげずに何度もトライして!」

カナダのボランティア人口と時間
カナダのボランティア人口と時間
 続いて、カナダにおけるボランティア事情が簡単に説明された。

 2000年に行われた調査によると、カナダの全人口約2,400万人に対してボランティアをしているのは約650万人(26.7%)で、1年間に1人あたり平均162時間のボランティアをしているとのこと(図)。

 この数字にブリティッシュ・コロンビア州(以下B.C.)の最低賃金8$/hをかけてみると相当な額になり、カナダにおいてボランティアがかなり大きな役割を果たしていることが説明された(ちなみに日本では、2001年に行われた調査によると、約3,200万人(28.9%)がボランティアをしているとのこと)。

 その後、参加者に、何故ボランティアをするのかという質問がローリーさんから投げかけられ、それに対して「英語を上達させたい」、「誰かを助けたい」、「自分のスキルを活かしたい」などさまざまな意見が出た。

 次にどんなボランティアの機会があるのかということが説明され、ボランティア検索サイトの紹介と、活動内容で分類された団体一覧が渡され、それを見て自分の興味のあるものに直接コンタクトを取るようにと言われる。「もしかしたら、ボランティアの機会がなかなか見つからないかもしれないけれども、めげずに何度もトライして!」と、強調しているのが印象的だった。

 また、ボランティアによっては一人で行う作業になって、英語を使う機会があまりないかもしれないけれども、それでも周りで誰かが会話しているのを聞くのも勉強になるし、自分から話しかける努力も必要とのアドバイスもあるなど、ボランティアの目的に「英語の上達」をあげている人が多いことを意識して話していることがよくわかった。

 そのほか、「責任」や「長期間」がキーワードであることや、その団体で働きが認められれば仕事を探す際に「推薦状」を書いてもらうことができ、履歴書に添付することができるなど、いろいろな情報を入手できた。日本と違ってカナダでは、ボランティアも仕事と同程度の経験とみなされるとのことである。

 こうして一連の説明が終了し、最後にボランティアフォームを提出して説明会は終わった。

 説明会終了後、2年前にイランから移民してきたという女性と話す機会があった。彼女はイランでCAD(コンピュータ設計)を扱う仕事をしていたのだけれども、カナダではカナダで認定される資格以外は全く効力を持たず、仕事が見つからないという話だった。そのため、もう一度学校に行って学ぼうと思っているとのこと。入学試験も受けたそうなのだが、英語の点数が足りずに入学できなかったそうだ。ここで、暮らしていく際に一番の問題となるのは言語であることを実感させられる話だった。

MOSAICのWebサイト
MOSAICのWebサイト
■MOSAICについて

 最後に、今回のセミナーを主催しているMOSAICという団体について簡単に説明したい。

 MOSAICは、移民・難民がカナダでより良く生活できるように各種サービスを提供している非営利団体で、1972年に始まった2つの団体-Multilingual Social Services、Language Aid for Ethnic Groups-が1976年に合併して誕生した。現在、120人以上のスタッフを抱え、通訳・翻訳、英語クラス、就職サポート、各種カウンセリングなどの事業を行うまでになっている。

カナダの風景
カナダの風景
 移民の国といわれるカナダの中でも、バンクーバーは移民の率がかなり高い。2001年に行われた調査によると、24万7千人以上の移民がバンクーバーに住んでおり、これは人口の45.9%を占めるという。また、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)の人口の14%がバンクーバーに住んでいるのだが、BCの移民の24.5%がバンクーバーに住んでいるという結果が明らかになっている。

 こうした状況を見ると、移民してきた人々がカナダでの生活を快適に送ることができるようにサポートすることは、移民だけでなく、バンクーバー全体の生活の質に関わってくる大きな問題のようだ。MOSAICのような団体の活動が評価される所以であろう。

(野口朋子/インフォメーション・プランナー)


関連サイト
MOSAIC

ボランティアに関する調査(カナダ)

ボランティアに関する調査(日本)

バンクーバー市の移民に関する調査
http://www.city.vancouver.bc.ca/commsvcs/socialplanning/initiatives/multicult/index.htm
http://www.city.vancouver.bc.ca/commsvcs/socialplanning/info/PDF/socialindicators.pdf


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Posted by staff at 14:07