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ap bankとは何か?それは、アーティストたちが資金を持ち寄り、環境保護のために活動するNGO/NPOなどの団体に低利で貸し付けることでその活動を支援することをコンセプトにした非営利組織だ。
■「自分のお金を、未来や、必要としている人のために使いたい」
「自分たちはアーティストとして成功し、その結果、自分の想像をはるかに超えるほど多くのお金を稼いでいる。自分はそのお金を誰かの為に使いたいのだけれど、ただ銀行に預金するだけでは、間接的に戦争に使われてしまう。自分は、自分のお金を、未来や、本当に必要としている人のために使いたい。」
人気バンド「MR.CHILDREN」のボーカリストで、ap bank立ち上げ人の一人である櫻井和寿氏は、発足の動機についてこのように語る。
始まりは、2001年に、作曲家の坂本龍一氏がやはり人気バンドである「GLAY」のTAKURO氏とともにスタートさせた「Artists' Power」だった。
アーティストとしての名声と影響力を自然エネルギーの普及に生かそう、というこの取り組みに、櫻井氏や、同じく立ち上げ人の小林武史氏が参加。メーリングリストでの議論や勉強会を経て、2004年5月、環境に関する活動を行うNGO/NPOなどへの融資事業を立ち上げた。
■コンサートなどさまざまなプロジェクトを計画

さまざまなNGO/NPOが資金繰りに苦労しながら活動している ap bankがNGO/NPOへの融資事業を活動の中心に据えたのは、そうした団体やボランティアの多くが慢性的な資金不足に苦しんでいる実情を、こうした勉強会の場で学んだからだ。使命感や目的を持って活動し、良いアイディアもあるのに、それを実現するための資金がなく、活動が広がっていかない場合が多いという事実を、メンバーであるアーティストたちの多くは初めて知った。
ap bankは、さまざまな社会的な取り組みの中でも環境問題に焦点を当て、資金不足で思うように活動ができかったり、すばらしい活動をしているが世間の脚光を浴びていなかったりするNGO/NPOなどの団体を対象に、自らのアーティストとしての知名度や資金力を活かし、融資という形で支援する。それが、櫻井氏の言う「本当に必要としている人のためにお金を使う」ことであり、その結果、未来のために使うことにつながっていく、という考え方が基本にある。
ap bankは、こうした理念を実現するため、有限責任中間法人としての法人格を取得し、貸金業登録もしている。具体的には、5月からネット上で融資先を募集している。金利は1%と低いが、この仕組みの特徴は、単に貸すだけではなく、きちんと回収する仕組みも備えていることだ。
例えば、融資した団体については、その実名をホームページ上で紹介し、活動を広く社会に知ってもらう。これは、NPOなどにとっては大きな宣伝になるが、同時に、もし返済ができなかった場合は、そのこともホームページ上で公開され、一般の人の目に触れる。こうして融資と返済状況を透明にすることで、NPOの返済意識を高める工夫をしている。
また、ap bankの活動を広めるために、2004年1月にはライブイベント「B.G.M」を開催した。今後も、融資だけではなく、さまざまなプロジェクトを計画している。ライブによる収益やグッズ販売による収入は、ap bankの活動を広めるための費用にあて、その収益が活動費を上まった場合は、融資の原資に組み込むことも検討している。
■7月から融資開始、さまざまな取り組み促すきっかけに

ap bankの仕掛け人、田中優氏 ap bankのコンセプトづくりから立ち上げまでに関わった、仕掛け人兼知恵袋的な存在が、未来バンク代表の田中優氏だ。田中氏は、金融や環境、国際問題に関する豊富な経験と知識があり、これまでも同様の融資の仕組みを作った経験がある。また、NGO/NPOに広いネットワークや人脈を持つことから、ap bankには顧問として迎えられ、その理念や活動を陰で支えている。
この全く新しい試みについて、田中氏は次のように語る。「自分たちはap bank自体を全国規模に広げて、大きくしていくつもりはない。むしろ、多くの人がこの活動を知って、興味を持つことによって、さまざまな取り組みが各地で生まれてくれれば、と考えている」
ap bankの融資開始は7月から。本格的な取り組みはこれからだ。アーティストの資金とパワーでNPOを支援するこの事業。これからの彼らの活動と、波及効果に期待したい。
(高井彩/ViVa!コンテンツサポーター)
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