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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2004年06月17日

ap bank~アーティストの資金とパワーでNPOの環境活動を支援~

ap bankのホームページ ap bankとは何か?それは、アーティストたちが資金を持ち寄り、環境保護のために活動するNGO/NPOなどの団体に低利で貸し付けることでその活動を支援することをコンセプトにした非営利組織だ。

■「自分のお金を、未来や、必要としている人のために使いたい」

 「自分たちはアーティストとして成功し、その結果、自分の想像をはるかに超えるほど多くのお金を稼いでいる。自分はそのお金を誰かの為に使いたいのだけれど、ただ銀行に預金するだけでは、間接的に戦争に使われてしまう。自分は、自分のお金を、未来や、本当に必要としている人のために使いたい。」

 人気バンド「MR.CHILDREN」のボーカリストで、ap bank立ち上げ人の一人である櫻井和寿氏は、発足の動機についてこのように語る。

 始まりは、2001年に、作曲家の坂本龍一氏がやはり人気バンドである「GLAY」のTAKURO氏とともにスタートさせた「Artists' Power」だった。

 アーティストとしての名声と影響力を自然エネルギーの普及に生かそう、というこの取り組みに、櫻井氏や、同じく立ち上げ人の小林武史氏が参加。メーリングリストでの議論や勉強会を経て、2004年5月、環境に関する活動を行うNGO/NPOなどへの融資事業を立ち上げた。

■コンサートなどさまざまなプロジェクトを計画

NGO/NPOの活動イメージ
さまざまなNGO/NPOが資金繰りに苦労しながら活動している
 ap bankがNGO/NPOへの融資事業を活動の中心に据えたのは、そうした団体やボランティアの多くが慢性的な資金不足に苦しんでいる実情を、こうした勉強会の場で学んだからだ。使命感や目的を持って活動し、良いアイディアもあるのに、それを実現するための資金がなく、活動が広がっていかない場合が多いという事実を、メンバーであるアーティストたちの多くは初めて知った。

 ap bankは、さまざまな社会的な取り組みの中でも環境問題に焦点を当て、資金不足で思うように活動ができかったり、すばらしい活動をしているが世間の脚光を浴びていなかったりするNGO/NPOなどの団体を対象に、自らのアーティストとしての知名度や資金力を活かし、融資という形で支援する。それが、櫻井氏の言う「本当に必要としている人のためにお金を使う」ことであり、その結果、未来のために使うことにつながっていく、という考え方が基本にある。

 ap bankは、こうした理念を実現するため、有限責任中間法人としての法人格を取得し、貸金業登録もしている。具体的には、5月からネット上で融資先を募集している。金利は1%と低いが、この仕組みの特徴は、単に貸すだけではなく、きちんと回収する仕組みも備えていることだ。

 例えば、融資した団体については、その実名をホームページ上で紹介し、活動を広く社会に知ってもらう。これは、NPOなどにとっては大きな宣伝になるが、同時に、もし返済ができなかった場合は、そのこともホームページ上で公開され、一般の人の目に触れる。こうして融資と返済状況を透明にすることで、NPOの返済意識を高める工夫をしている。

 また、ap bankの活動を広めるために、2004年1月にはライブイベント「B.G.M」を開催した。今後も、融資だけではなく、さまざまなプロジェクトを計画している。ライブによる収益やグッズ販売による収入は、ap bankの活動を広めるための費用にあて、その収益が活動費を上まった場合は、融資の原資に組み込むことも検討している。

■7月から融資開始、さまざまな取り組み促すきっかけに

田中優氏
ap bankの仕掛け人、田中優氏
 ap bankのコンセプトづくりから立ち上げまでに関わった、仕掛け人兼知恵袋的な存在が、未来バンク代表の田中優氏だ。田中氏は、金融や環境、国際問題に関する豊富な経験と知識があり、これまでも同様の融資の仕組みを作った経験がある。また、NGO/NPOに広いネットワークや人脈を持つことから、ap bankには顧問として迎えられ、その理念や活動を陰で支えている。

 この全く新しい試みについて、田中氏は次のように語る。「自分たちはap bank自体を全国規模に広げて、大きくしていくつもりはない。むしろ、多くの人がこの活動を知って、興味を持つことによって、さまざまな取り組みが各地で生まれてくれれば、と考えている」

 ap bankの融資開始は7月から。本格的な取り組みはこれからだ。アーティストの資金とパワーでNPOを支援するこの事業。これからの彼らの活動と、波及効果に期待したい。

(高井彩/ViVa!コンテンツサポーター


関連サイト
ap bank

ViVa!関連ニュース
坂本龍一氏らミュージシャン設立のap bankが融資対象募集


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Posted by staff at 16:55

2004年06月03日

“Volunteering in Canada!"――カナダ・ボランティア事情 その4 環境に配慮した交通システムを/Bike Monthとバンクーバー市の自転車事情

Bike Monthの車体広告
キャンペーンの車体広告
 ワーキングホリデーでカナダ・バンクーバー在住の野口朋子さんによるレポート。今回は、環境に配慮した交通システムを実現するために様々な活動を行っている”BEST(BetterEnvironmentally Sound Transportation)”のキャンペーン”Bike Month”とバンクーバー市の自転車事情について紹介してもらう。

■June is Bike Month! 

 日本では6月というと梅雨で雨ばかりだが、ここバンクーバーでは反対に天気がいい時期になる。日も長くて夜は22時近くまで明るいため、さまざまなアウトドアでのイベントが行われる。

バス停にもBike Monthのポスター
バス停にもBike Monthのポスター
  ”Bike Month”は、環境に優しい交通手段である自転車利用を推進することを目的としたキャンペーンで、期間中の6月には様々な団体によって企画運営されるサイクリングツアーやフェスティバルや、子供対象のセミナーなど約50もの自転車関連のイベントが行われる予定である。

 BESTは、大バンクーバー地域の交通システムを管理するTRANS LINK、銀行の財団であるTDFriends of the Environment Foundation、TV局のCBC、ラジオ局のCBC1、CBC2からの資金提供や、その他さまざまな団体からの協力を得て、ポスターや情報誌の発行、自転車などがあたるクジなどを行ってBike Monthをアピールしている。

トレイルの入り口
トレイルの入り口
 BESTによると、昨年Bike Month関連イベントに参加したのは延べ17,000人以上、大バンクーバー地域の16歳以上の住人の42%が6月はBike Monthだと認識しているとのこと。

 このBike Monthのキャンペーンを取りまとめるのは、昨年のBike MonthからBESTで働き始めたリチャードさん。Bike Monthコーディネーターの仕事について尋ねたところ、自身もイベントには出来る限り参加するので6月はほとんど休みなく走り回ることになるが、サイクリストでもある彼にとって環境に優しい交通手段である自転車をアピールするこの仕事はやりがいがあるという。

 ただ、期間限定なのが問題で、昨年はBike Month終了後にレイオフがあったので、今年はどこかから助成金を獲得して年間を通してBESTで仕事ができるようにしたいとの話だった。

⇒ June is Bike Month!
Best--Better Environmentally Sound Transportation"

サイクリングロードの看板
サイクリングロードの看板
■バンクーバーのサイクリング事情

 坂が多いと言われるバンクーバーだが、サイクリングコースが縦横に整備されていて、特にこの季節にはサイクリストを良く見かける。バンクーバー市では1988年のTheComprehensive Bicycle Plan(自転車に関する包括的な計画)、1992年のThe BicycleNetwork Study(自転車ネットワークに関する調査) によって市内全域の自転車道路の計画が作成された。それに基づき1990年以降16の自転車道路が整備され、その後も新しいルートが計画されている。

自転車のサイン
サイクリングロードの自転車のサイン
 サイクリングロードは交通量の多いメインストリートに平行して設定されていることが多く、より安全に、かつあまり遠回りをすることなく自転車で目的地に到達することができるようになっている。ルートには通りの名前の横に自転車のイラストがついた看板が掲げられており、道路にも自転車のイラストがペイントされ、サイクリングルートであることが示されていてわかり易い。また、サイクリストが安全に道路を渡ることができるように信号機ボタンも整備されている。

http://www.city.vancouver.bc.ca/engsvcs/transport/cycling/index.htm
http://www.city.vancouver.bc.ca/engsvcs/transport/cycling/routes.htm

■自転車と一緒に市内を移動

自転車を運ぶバス
自転車を運ぶバスが走る
 サイクリングで行くには遠い場所へ自転車と一緒に移動したい場合には、各種公共交通に自転車を載せることができる。バスの前面には自転車を運ぶためのラックが備え付けられているものがあり、1台当たり最大2台の自転車を無料で乗せて運ぶことが出来る。載せ方は、1.閉じられているラックを開き、2.自転車を載せ、3.前輪をロックするためのバーをセット、の3ステップ。

 私も実際に利用しているが、ラック自体にも手順が書かれていてわかりやすく、初めてでも特に問題なく利用することができた。ラックに載せるときに自転車を持ち上げるのが少し大変だったが、あとはびっくりするほど簡単。下ろす時は載せる時と反対の手順を踏むことになる。

バスの前のバイクラック
バスの前のバイクラック。使用方法が書かれている。
 全てのバスに備えつけられているわけではないし、1台のバスに2台までしか載せられないので、例えば週末に郊外でサイクリングを楽しみたい、通勤時に運びたいなどの混み合う時には早い者勝ちになるのが問題だが、それでもかなり手軽だと言えるだろう。

 また、ダウンタウンと郊外を結んで運行しているSkytrain(無人運行の列車)には、昨年2003年6月からラッシュアワー以外(月~金/9:30~15:00、18:30以降、土日祝祭日/終日)なら無料で自転車を載せることができるようになっている(ただし、一番後ろの車両の一番後ろのドアのところに2台までという制約あり)。

 ダウンタウンと対岸のノースバンクーバーを結んで運行しているSea Bus(船)にも自転車を載せることができるので、バンクーバー近郊なら大抵の場所へ公共交通を使って自転車と共に移動することができるようになっていると言えるだろう。

http://www.translink.bc.ca/Transportation_Services/Bikes/Default.asp

■BESTについて

 BESTは1991年に数人のサイクリストによって結成され、最初は主に自転車に関連する活動を行っていたが、その後対象を全ての持続可能な交通手段に広げて活動している、「綺麗な空気」、「安全な道路」、「持続可能な交通手段」をテーマに活動している非営利団体である。

  1996年には”Bike to Work Week(車に代わる交通手段を促進すると同時に自転車通勤を促進するキャンペーン。現在はBike Month)”、”Commuter Challenge(持続可能な通手段の利用を促進するキャンペーン)”を開始、その後97年には”Go Green Choices program(持続可能な交通手段を促進させるための社員教育プログラム)”、99年には”Off Ramp secondary schools projects(学生を対象とした持続可能な交通手段に関する教育プログラム)”を開始。

 その年に行われた州選挙の際には他の団体と協力し、市民に対して持続可能な交通に関する情報提供を行うパンフレットを作成し、州全体に配布するというような活動も行っている。2000年には”Off Ramp program”がOECDの教育/若者のカテゴリーにおいて”Best Practice”に選ばれている。現在はバンクーバーダウンタウンにオフィスを持ち、パート/フルタイムスタッフ合わせて12人を抱えて活動している。

(野口朋子/インフォメーション・プランナー)


関連サイト
BEST

Bike Month

バンクーバー市サイクリングページ

Trans Link


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Posted by staff at 17:19