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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2004年10月20日

「会社員のための『はじめてのボランティア活動ABC』」レポート[その2]障害者、高齢者も健常者もいっしょに踊ろう!/車椅子社交ダンス普及会

息の合った演技
「パートナー同士息の合った演技。勝ち負けは関係ない」(第7回ふれあいフェスティバル全国大会より)
 8月20日(金)、27日(金)に東京・千代田区の三井物産で開催された、「会社員のための『はじめてのボランティア活動ABC』」(日本フィランソロピー協会主催)の参加団体から、NPO法人車椅子社交ダンス普及会を紹介したい。

■車椅子でダンス?なぜ?どうやって?

 車椅子社交ダンス普及会は、障害者や高齢者と健常者がともに社交ダンスを楽しめるよう、その普及を目指す団体として発足した。主な活動は、障害者や高齢者施設を訪問して、入所している人と一緒にダンスを楽しむこと。

 皆さんの中には、一体どのようにして障害者や高齢者と健常者が踊るのか、不思議に思う人も多いのではないだろうか。

 同会で行われているものはきわめて簡単。立って踊る人と車椅子で踊る人がパートナーとなって、お互いに手をつないで社交ダンスの基本的なステップを踊るというもの。しかも、ダンスの種類も社交ダンスに限らず、フォークダンスからチャチャ、ボサノバまでさまざまだ。

 車椅子でダンスをしてみようとは、普通なかなか思いつかないと思うのだが、同会の面白さはその発想だ。それはこの団体の立ち上げのエピソードを聞くと良く分かる。

 自衛官である代表の黒木実馬さんは、仕事柄全国各地を転々としてきたが、必ず転勤の際には一つ趣味を作ろうと思い立ち、ある時社交ダンスを始めた。九州を一周していた途中で、ひょんなことで障害者の学校に出入りするようになった。その間に、障害者とダンスを踊ってみたら面白いのではないかと考えたのが始まりだそうだ。

■フォークダンスを取り入れるなど参加しやすく

ダンスを楽しむ
「ダンスは障害のあるなしや年齢に関係なく楽しめる」(第7回ふれあいフェスティバル全国大会より)
 とはいうものの、車椅子の場合ステップを踏むわけではない。車椅子の種類に注目した黒木さんは、海外で行われている社交ダンス用の車椅子が、全て競技用であることを知った。一方で、日本で障害者や高齢者が使っているのは介助用や自走用の車椅子。海外と同じような社交ダンスをしたくても、なかなか参加しづらかった。

 そこで、ステップを基本的なものへと変えるなどして、一般の車椅子でも対応できるような工夫を凝らした。踊りも、やや敷居の高い社交ダンスにこだわらず、より一般的で、みんなで輪になって相手を交代しながら踊ることのできる、フォークダンスを取り入れた。これは、それまで何となく参加しづらいと思っていた障害者や高齢者、また福祉関連の学生が活動に参加するきっかけとなった。

 こうした努力が功を奏して、参加者の裾野が広がり、同会は現在では、全国約270カ所に拠点を持ち、会員数5,700人、参加者1,000人を超える全国大会を実施する団体にまで成長した。平成11年6月には特定非営利活動(NPO)法人の認証を受けた。今では、施設への訪問に加えて、インストラクター養成講座を開催したり、ビデオを販売したりするなど、活動の幅も広がりつつある。

 参加者には会社員もいるとのこと。「求めるのは報酬ではなく、感動」というスタンスに加えて、ダンスの種類を増やすなど、参加しやすさへの考慮や工夫が、誰にでも気兼ねなく取り組める活動につながっている。

 一度ダンスに挑戦してみたかったけれどなかなかきっかけが...と思っていた皆さん、是非参加してみてはいかがだろうか?

(高井彩/ViVa!コンテンツサポーター)

関連サイト
車椅子社交ダンス普及会


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Posted by staff at 15:25

2004年10月10日

大人の仕事をちょっと体験/子供企業塾(KIDS festival in 大手町)

メロンパン屋さんの行列
メロンパン屋さんは行列のできる繁盛ぶり
 8月16日から18日の3日間にわたり、東京のフジサンケイビル・メトロスクエアで開催された「KIDS festival in 大手町」には、NPO法人にこにこKIDSや文化発掘隊、「千代田こどもまちの記者」などが参加し、各ブースで賑わいを見せた。なかでも「子供企業塾」に参加した子どもたちにとって、スーツ姿の大人が働く仕事の世界に飛び込むことは、得がたい体験になったようだ。

■大手町に子どもたちの働く?姿

 お盆も明け、それまで続いていた連続真夏日が前日で途切れた日。スーツ姿の社会人で賑わいを見せるビジネス街・大手町に、「いらっしゃいませー!」といった子どもたちの元気な声が飛び交った。にこにこKIDSが主催した「子供企業塾」に参加した子どもたちの声だ。

 子供企業塾は、同フェスタに先立って行われた企画で、子どもたちが経済や企業のことを学んだ上で、実際に出店して働く体験をするというもの。

 8月4日、5日、9日と3日間にわたる事前勉強会で商売の仕組みを勉強し、満を持しての本番を迎えた子どもたちは、メロンパンの販売や体験コーナーの接客を行った。慣れないうちは戸惑うばかりだったが、次第に「売り上げをのばすために自分たちで出来ることをしよう」と、工夫する姿が目立つようになった。そして、昼休みになると、昼食を食べに行こうとするサラリーマンたちがその声につられ、メロンパン屋の前には列が出来るほどの盛況ぶりとなった。

 子供企業塾の学生ボランティアとして参加した小中さんは「多分、店員の立場としての3日間は、子どもたちにとっては“非日常”だったと思う。そういう意味では大人の視点からでは見えない部分で子どもたちが得ていることは、多いんじゃないかな」と話していた。

オーガニックわた菓子づくり
オーガニックわた菓子をつくってみよう
 にこにこKIDSではこの「子供企業塾」のほかに、「ワークショップ」「オーガニックわた菓子&ポップコーン体験コーナー」「KIDS SALSA」といった企画でも参加した。「ワークショップ」は、マカロニを使って写真立てを作るマカロニアートや動くスポンジ人形を作るというコーナー。フェスティバルに訪れた多くの子どもたちが参加し、楽しむ様子が伺えた。「オーガニックわた菓子&ポップコーン体験コーナー」では、オーガニックな素材を使ったわた菓子やポップコーン作りの体験が行われた。

 最終日、子供企業塾に参加した子どもたちは、「今回、何が一番よかった?」という質問に対し、「みんなと会えたこと!」と答えた。その言葉には、仲間たちといっしょに一つのものを作り上げる「チームワーク」の喜びを知った姿が見えた。

■手作りの子ども新聞も展示

 一方、「千代田こどもまちの記者」のブースでは、訪れた人々に葉っぱに見立てた紙に自分の夢を書いてもらい、それを貼り付けて一つの木にする「夢の木」が展示された。KIDS Festivalを楽しんでいた子どもたち、昼休み中のサラリーマン等、大人、子供問わず多くの人がそれぞれの夢を葉っぱに託した。最終日までには、多くの「夢」が集まり、立派な「木」に成長。この夢の木とともに、子どもたちによって作られた「子ども新聞」も展示された。

 また、こうした展示のほかに、子どもたちが新聞記者に扮し、KIDS Festivalを取材。フェスティバルに携わる多くの人に話を聞き、ブースに戻って新聞を制作する姿が見られた。今回は3人の子どもが取材を行い、それぞれの個性が溢れた3枚の新聞が完成した。今回のフェスティバルを含めたこれまでの「子どもまちの記者」の活動は、ホームページで確認できるので要チェック。

 今回のKIDS Festivalでは、大人、子ども問わず、訪れた皆が大手町での「非日常」を楽しんでいたように思えた。かくいう私も実は楽しんでいた一人なのだが、さまざまな企画の中でも、ビジネス街「大手町」で働く「たくさんの子どもたち」という、普段では見られない一種ミスマッチな光景は新鮮に思えた。

 KIDS Festivalは今年で2回目。来年はより多くの人で賑わって欲しい。また、こうしたイベントににこにこKIDSや文化発掘隊といった団体がブースを設け、活動をし、発表をすることには大きな意義があると思うし、なにより子どもたちにとって学校の授業では得がたい社会勉強の場になったと思う。
  より多くの団体がこうしたイベントに参加することが、市民活動の活性化に少なからず繋がっていくと思うし、それを期待したい。

(金井元貴/ViVa!コンテンツサポーター


関連サイト
NPO法人にこにこKIDS

子供企業塾ホームページ

「子どもまちの記者」ホームページ

ViVa!関連記事
募集/にこにこKIDS(2004/7/15)


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Posted by staff at 15:34

2004年10月02日

「会社員のための『はじめてのボランティア活動ABC』」レポート[その1]路上生活者の「自立自援」目指す/さなぎ達

「さなぎ達」の建物 企業で働いている人にボランティアのことを知ってもらう入門講座「会社員のための『はじめてのボランティア活動ABC』」が、8月20日(金)、27日(金)の2日間、東京・千代田区の三井物産本社で開催された。企画運営は(社)日本フィランソロピー協会が協力で、両日で224名が参加した。福祉や国際協力、環境など2日間で計17団体の活動紹介とブース形式での相談会を通して、会社員に日頃触れる機会の少ないボランティアやNPO/NGOのことを知ってもらい、参加につなげていくのが目的だ。参加団体から、NPO法人「さなぎ達」を紹介する。

■ホームレス狩り事件を機に発足

 NPO法人「さなぎ達」(岡田一雄理事長)は、横浜の寿町で路上生活者や、そうなりそうな人たちの自立を支援する活動を行っている特定非営利活動法人だ。さなぎ達が発足したきっかけとなったのが、1983年に山下公園で起きたホームレス狩り事件。事件以来、同団体では毎週木曜日に周辺地域の夜間パトロールを開始し、2001年から憩いの場として「さなぎの家」を開設した。緊急時に助けを求められる駆け込み寺的な役割を果たすため、さなぎの家は365日オープンだ。

『さなぎの家』の内部
『さなぎの家』の内部。明るくて過ごしやすそうだ。
 ここで、さなぎ達のフィールドである寿町について少し解説すると、第二次世界大戦後米軍に接収された同町は、1955年の接収解除後に土地が売りに出され、在日朝鮮・韓国人の人たちが少しずつ購入していった。また、駐留軍や港に仕事を求めて桜木町の水上ホテルに溢れていた復員軍人や日雇い労働者が、職業安定所と寄せ場の寿町への移転を機に移転してきた。

 その結果と言ってはなんだが、現在の寿町の住人約6,500人の9割以上が単身の男性だ。また、住民の3分の1が60歳以上で、8割が生活保護を受けている。しかもこの不況で一泊1500円のドヤに住めない人々が野宿をしていて、野宿者は神奈川県内で3000人、全国で20,000人いると言われている。
明るくて過ごしやすそうだ。「この街は日本の経済を映している。高齢化が進んでいて、現在、寿町の労働者の60%が60歳以上だ。」こう話すのは、理事で事務局長の桜井武麿さん。

 寿の街の労働者は、殆どが日本経済成長を支えてきた建設業に従事する肉体労働者であり、バブル崩壊により、影響を大きく受け、失業者が増大した。また、そうした失業者の中には簡易宿泊施設(=ドヤ)に住むことができず、路上生活者としての生活を余儀なくされている人も多い。

 それだけでなく、事業に失敗したり、会社が倒産したりするなど、さまざまな問題を抱えている失業者も多い。さらに、不況で経済的に貧しくなったために仕事から離れられず、結果として街全体の労働者の高齢化も進み、若手が育たないといった悪循環は、地域全体の問題ともなっている。

■多様で自由な活動が魅力

 こうした状況にある寿町で活動するさなぎ達は、1)寿町に関する正しい情報を「ソトブキ(寿町以外で暮らす人々)」に向かって発信する、2)毛布や衣類、日用品などの基本的な支援物資の提供、3)医療や「空きドヤ」情報など生活者が必要な情報の提供、の3つの目的を柱に活動を続けている。

 活動の種類は大きく「医・衣・職・食・住・メンタル」の6つに分けられる。主な活動を見ると、自分たちの街の中で助け合えるよう、ヘルパーの育成を行っている。

さなぎの食堂
配膳にレジに大忙しの『さなぎの食堂』。
 自ら運営するさなぎ食堂では、パン券を使える店として、食事の提供も行っている。このパン券は毎日、横浜市が路上生活している人に面接のうえ配布しており、ホームレスの人たちは、横浜市が指定した食堂やスーパーでのみ、食料と引きかえることができる。寿町の中には5-6軒、指定店があり、さなぎ食堂もその一つである。

 パン券は750円分の食料と交換ができるが、現金でおつりを出さない仕組みになっている。そのため、以前は食料をまとめ買いすることしかできず、朝買った食べ物を夜冷めてから食べるのが当たり前となっていた。そこで、さなぎ食堂は一枚のパン券に対し、2枚のさなぎ券をおつりとして返す方法を考案した。一種の「地域通貨」である。

 これで、さなぎ券があれば、空腹時にいつでも好きな時に食べに来ることが可能となった。無理に食券を使い切る必要もないし、冬場には暖かい豚汁で体を温めて貰う事もできるようになった。また、最近では緑化プロジェクト「寿緑化」もスタートさせた。緑化を通じて、皆の心を癒すのが一番の狙いだ。

 このように、さなぎ達は、路上生活者の自立支援を、精神面を中心に据えて行うことで、生活者自身が自分たちを支援し、生活の質全体を向上させ、精神的・身体的に自立した生活ができるようになる「自立自援」の実現を目的として活動している。

 さなぎ達の活動の魅力について、インターンをしている学生は「とにかく自由」である点と話す。「はじめ、寿町の前をたまたま通りかかった時に、この街がどういう街だとか、さなぎ達の活動などについても全く知らず、一体どんな街なのかと思ってインターネットで調べたところ、この団体にたどり着きました。今はインターンをしていますが、皆やりたいことを自由にやって、楽しんで活動していて、とてもいい雰囲気です」。

 さなぎ達のウェブサイトには、「路上生活者の巣立ちを支援し、人それぞれの生きがいを共に発見していきたいと思います」との言葉が掲げられている。お互いを認め、同じ立場に立って一緒に生きていこうとする姿勢が、インターンの言う自由さにもつながっているのかもしれない。

 路上生活者には、身体的な疾患だけでなく、アルコール症や薬物の依存症など、精神的な病を抱えている人も多い。彼らを社会のさらに隅に追いやったり、知らん振りを装ったりするのではなく、路上生活者が置かれている状況やそこに至った経緯、社会的な背景を理解し、地域全体の問題として皆で解決策を探っていく姿勢が必要だ。

 さなぎ達は、活動を通してその実践に挑戦し続けている。

(高井彩/ViVa!コンテンツサポーター)

関連サイト
さなぎ達


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Posted by staff at 15:42