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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2005年02月04日

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ・その2

小田急線の地下化と道路・駅前地区計画がセットで始まった~
<2005年2月4日UP>

下北沢の商店街
シモキタでは、住民が望んだ通りに「地下化」が実現するものの、いつの間にか都市計画で「補助54号道路」が蘇って、地下化を目指して頑張ってきた方たちにとっては、一難去ってまた一難。まさか、道路計画がゾンビのように生き返るとは思われていませんでした。なぜいきなり道路計画?

 

 

 
■ゾンビのように生き返った道路計画

この1月には、世田谷区が「下北沢駅周辺地区計画」骨子案について、意見交換会を北沢タウンホールで4回開きました。駅のまわり、徒歩5分くらいのところに住んでいる人、地権者のみの限られた方たちが対象で大きい広報はありません。このときの意見を踏まえて「地区計画の素案」を作成して、素案の地元説明会を開いた後、「皆様のご意見を踏まえて『地区計画の原案』を作成するなど、都市計画の手続きに入ります」と資料には書いてありました。

ここでの、ポイントは、「原案を作成する」のあとに、「再び皆さんの意見をきく」という言葉が入っていないことですね。実は、多くの公共事業で手続き的には「住民の声をきく」ことにはなっているものの「素案=原案」になっていることが多いのです。

配布資料その1
しかも、「地区計画の策定は、平成17年度を予定しています」とありますから、進み方がかなり早くこれはとっても心配・・・。

しかも、説明会は、地図内囲みの駅から徒歩5分くらいの方たちだけにしか告知されていませんでした。世田谷区の広報誌にさえ載っていないのです。説明会場で、世田谷区街づくり課の担当者が強調したのは、「決まったことについて話し合う場ではない」ということでした。「決まったこと」というのは、補助54号線の道路計画です。

ちょっと複雑なのですが、小田急線を高架にする事業(地下化も含めて「連続立体交差事業」という)と、補助54号線、および駅前広場(世区街10号線)の道路事業はセットだと説明されています。「連続立体交差事業」として事業認可を受け、国の道路整備予算枠(道路特別会計)からの補助を受けて整備するには、「幹線道路が2箇所以上で交差すること」というのがあるのです。これらの基準は、最近少し変わったようですが、「連続立体交差事業」は「道路整備」の一環として行われ、「ガソリン税・自動車重量税」も使われますから、ともかく道路事業との一体感があるのです。

小田急線の高架にするか地下にするかについては、過密ダイヤで開かずの踏み切りになっていたこともあり、数十年の歴史ある課題です。下北沢では、長年の高架反対運動が実を結び、「地下化」することになりましたが、すでに工事が始まっていた地区について、2001年に東京地裁で「建設省の工事認可を取り消す」という画期的な判決があり、全国報道でご存知の方も多いと思います。しかし、その後、高裁では判決が逆転。全国からの注目も続いています(詳細は→コチラで)。

配布資料その2
配布された資料では、道路計画がわかりにくいので白くしました。真ん中で鉄道がクロスしているところが下北沢駅です。ずいぶんと駅近くに大きな道路ができることになっています。しかも、膨らんで見えるのは、もともとは小田急線が高架になる予定だったので道路も高架が予定されておりそのループのためだったものをそのまま下ろしたからだといいます。昔の計画が修正されずにまったくそのままだというのですから驚きます。

つまり、シモキタでは、望んだ通りに「地下化」が実現するものの、いつの間にか都市計画で「補助54号道路」が蘇って、地下化を目指して頑張ってきた方たちにとっては、一難去ってまた一難。まさか、道路計画がゾンビのように生き返るとは思われていませんでした。

昭和21年の都市計画道路が、再浮上したのは2001年のことです。そのとき、世田谷区では、小田急線沿線200m街区の住人や補助54号線沿道 街区1,300mの住人にチラシを配布して、3ヶ所の小中学校で説明会を開催。駅ポスターなども貼って広報に努めたといいます。

このとき、小田急線の計画と道路のことが一緒に説明されたようですが、なにしろ、ずうっと話題だった「高架vs地下化」が大きな課題。多くの人は、道路建設が一緒に始まるという意識はもてませんでした。その後、2002年には、都市計画の公告縦覧+説明会、と着々と行政の手続きが重ねられ、10月に「世田谷区審議会」、12月に「東京都審議会」を経て、2003年1月31日に「都市計画」決定がなされた、ということになっています。

総事業費は、小田急が14%、都市負担86%。そのうち、半分が国、残り半分のうち、70%が都、30%が世田谷区で、総事業費は、教えていただけませんでした。高そうですねぇ。区民が相当額を負担するはずなのに、広く伝えられてきていないのではないでしょうか。(しかも、もしかしたら、東京中でゾンビ道路計画があるということ?! これは、東京都にも聞いてみないと・・・)

・・・なんていう経緯を知っているシモキタの住人は、ほとんどいないでしょう~(^、^; わたしも、「世田谷区北沢総合支所街づくり課」の方にうかがってやっとわかりました。
とはいえ、商店街の方たちは小田急線問題から引き続き、話し合いを続けており、2002年には、世田谷区と東京都に道路を地下化するように求める対案を提出してもいます。

その文書には、「下北沢において最も商業集積が高い地域及び優良住宅環境地域を通過することから、長い間『無謀・実現不可能』との認識がされていた」と、書いてあります。まったくですね。でも、現在では、状況も変わるなか、商店街の方たちも一枚岩ではありません。ちょうど道路が通るところに位置する方、その近くの方、立場はさまざまです。これからお話を伺っていきたいと思います。

■まさか世田谷でこんなことが...

実は、わたしは、これまで熊本県にある、球磨川の支流・川辺川という美しい川に計画されている国営「川辺川ダム」計画について、8年ほど取材を続けてきました。地元の方たちは、ダム推進でも反対でも、球磨川・川辺川という熊本にある計画のために、東京・霞ヶ関の国交省に交渉をしに上京されていました。本来は、もっと熊本の地元の方たちが決めればいいことなのではないでしょうか。
そんな思いで国と県、市町村の関係を考えながら熊本に通い続けました。川辺川ダムについては、おいおい、お伝えしたいと思います。

公共事業のことや市民参加について考えてきたわたしが、暮らしている地元「下北沢」が、まったく知らないうちに、時代遅れとも見える計画で変わってしまうのは、残念すぎます。まさか、住民参加の先進自治体「世田谷区」でこんなことが起こるなんて思いもよりませんでした。

>下北沢フォーラム」のホームページ
「下北沢フォーラム」のブログ(今後、HPにする予定です)

どうして、こんなに急いで、ほとんどの住民に知らされずに計画が進んでしまったのでしょうか? 同じように思った方が、すぐ駅前に「『結』まちづくり計画室」をもって、世田谷区をはじめ各地でのワークショップなどのお手伝いをする仕事をしてきた荻原礼子さんでした。そんな仕事をしていた方でも、街がどうなってしまうのかという計画を知ったのは、やはり昨年だったとのこと。普通に行政が行う街づくりのワークショップさえやっていないとびっくりです!

ともかく、どんな計画になるのか市民に知られていないのだから広く知らせなければと、近所に事務所がある建築家で、「街づくり」の研究をしている明治大学建築学科の小林正美教授や在住建築家の二瓶さん、道路問題などの専門家に声をかけて、「下北沢フォーラム」を立ち上げました。

2004年末には、早速、ワークショップを始めて、1月23日には第2回が開催されました。小林先生の教室では、世田谷区が提案している街を立体模型にしてみせました。行政がすべきワークショップを自主的にやってみたのです。ともかく、大きな道路にも、10年も歳月がかかるという工事にも不安がいっぱい。そんな不安についての説明は、世田谷区からはまったくありません。次回以降、「地区説明会」についてと、フォーラムでの様子を併せてお伝えいたします。

商店街
商店街は楽しみながら歩く人でいっぱい
それにしても、「普通ならば2年くらいはかける市民参加の手続きを、たった3ヶ月でおしまいにするという急ぎ方は異常です」と専門家の荻原さん。1月の地区説明会が終わって、たった2ヶ月で素案を作成すると言われても、ちゃんと市民の意見を反映させて再び計画が練られるとは思えません。市民としては、腑に落ちないことです。

4つの商店街の代表者からなる「街づくり懇談会」の意見を元に、「下北沢駅前地区計画」は策定されてきたとのことが説明会では繰り返し強調されました。ということは、一般市民の声はまったく反映されてこなかったということですね~。どうも、このまま手続きが進むのではと、とても心配です。―続く

(文=高橋ユリカ・フリージャーナリスト、ViVa!コンテンツサポーター、写真も)

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ
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投稿者: http://www.viva.ne.jp/  2005年02月04日 18時26分
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