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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2005年02月15日

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ・その3

シモキタが高いビルの街になるの~?
駅前周辺地区計画の説明会がありました~

<2005年2月15日UP>

下北沢の古道具屋・月天
どこかわくわくするような楽しい街、「シモキタ」。小田急線「下北沢」駅が地下化することが決定して、連続立体交差事業とセットといわれてふってわいてきた道路計画。それに伴う、駅前周辺地区計画では、「新しい街の顔」は高層ビルになるかもしれないという・・・(写真は下北沢の古道具屋・月天)。

■新しい街の顔は高層建築物が主体?

下北沢の商店街
どこかわくわくするような楽しい街。下北沢へようこそ~
駅は、そのすぐそばに住んでいる人たちだけのものではないですよね。出かけるときの起点がその駅である人、そこに勤め先がある人、なじみのお店があって通う人、多くの人にとって、ふと気がつくと「自分の駅」です。今の下北沢駅前は、大きくない階段をとんとんと下りるとすぐに商店街が広がる街です。ちょっと狭すぎるかなとは思う道ですが、人がひとの大きさでいることができるヒューマンスケールとでもいうのでしょうか。おかげで車がほとんど入ってきません。
下北沢を利用する乗降客は、一日に乗り換え客を含めて13万人。実際に乗降する人だけでも6万人もいます。

1月19日から28日にかけて世田谷区が4回開いた「下北沢駅周辺地区 地区計画骨子案説明会」は、下北沢の駅周辺、およそ24ヘクタールの範囲内(下の地図参照)に住んでいる人、地権者のみを対象に4つのブロックに分けて行われました。範囲外の人の参加も拒まれはしませんでしたが、お知らせはなく、4回の総参加者は100人ちょっとでした。

地区の現況については、1)4m未満の道路や行き止まりが多いこと 2)歩行者が主体で地区全体を回遊する。商業地区では休日の7時から21時の時間帯には、4mの道路に延べ1万人以上の歩行者が、6mの道路には延べ4万人が歩いており混雑している 3)容積率200~500%が指定されているが、道路が狭いなどの原因により、地区全体では160%、商業地区の500%の地区では190%の利用に留まっている。つまり、低層の建物が立ち並ぶとても賑わっている街で、たくさんの人が路地歩きを楽しんでいる、と世田谷区でも把握しているということです。

そして、これからの課題として、1)新しい街の顔づくり~補助54号線や駅前広場沿道で無秩序にならないように、「顔」となるような統一感をもった街並みづくり 2)歩行者主体の魅力ある回遊軸の形成で快適に歩ける街づくり 3)住宅と店舗が共存して住み続けられる街づくり 4)災害に強い住環境づくり 5)土地の有効利用・・・ を、あげています。

現在の道幅が狭すぎることの解消策としては、「壁面後退」のルールで道を広げる代わりに「斜面制限」「前面道路幅員」の2つの建築制限をなくして高い建物を建てやすくすることが具体的施策として挙げられました。
駅前広場と補助54号線沿いでは、高層建築物主体で街の拠点づくり、街の顔作りを行っていくというものです。

■「500%の容積率」をいかした街?地区説明会では意見さまざま

現在の下北沢には、10階以上の建物はたった2つしかありません。説明会が開かれた世田谷区の施設である「北沢タウンホール」が52mで最も高く、あとは42mの本多劇場があるビルだけです。8、9階の建物でさえ、いくつかしかなく、7階まででも数えるほど。商業地区でも5階まで、住宅地区では、3階までの建物がほとんどなのです。


駅の周り、ぐるりと赤く囲んでいるところが(~17階程度;駅前の顔づくり)と位置づけられています。
グレーの道路の周りのピンクのところも(~17階程度;沿道の街並みづくり)とされています。駅周辺、グレーのところが5,300㎡の駅前広場
なるべく500%の容積率をいかした街にしましょうということは、広く敷地をとれば、高さ60mにもなる17階建てビルまで建てられることになりますから、ずいぶんと街の雰囲気は変わります。世田谷区の方は、「これは、駅前地区再開発では決してありません」とおっしゃるのですが、どう見ても、これまであっちこっちで行われてきた「駅前再開発計画」そのものだと感じられます。地区説明会では、さまざまな意見がでました。地域住民の方たちと担当者のやりとりをまとめてメモしてみます。

 「知らないことばかりでてきた。こんなことはいつ決まったのか?」
 「街づくり通信を配って知らせたというが見たことがない」

⇒(担当者の答え)区域内の方にはポスティングしている。2004年5月に世田谷区街づくり条例で基本方針が決まっている。

 「補助54号線は決まってしまったものなのか?」
 「もう話し合えないのか?」
 「昭和21年の計画は見直してもいいのではないか」
 「空気がかわってしまう心配」
 「道路は地元には百害あって一利なし」
 「区が都のいいなりではないか」
 「なぜ、見直せないのか」(など道路関係の意見多数)

大きな行政課題として都市計画事業で決定した。この駅前地区計画を事業化しないと、道路ができない。
「放射線、環状線はほぼできあがってきたのですが、それを結ぶ補助幹線というものがまだ、できていない。都心部のほうで52% 区部においては、42%しかできていない。非常に遅れている。それを円滑に実施していかなければならない。10年以内にやっていくということで、54号線の位置づけというものは、東京都と世田谷区のマスタープラン。この場で延々と議論すべきことではありません」(と、担当者強調)富ヶ谷から上祖師谷まで通る道路で、調布へと抜ける道なのでここだけやめることはできない。区域内の方たちは、長年、建築規制も受けてきている。防災的要素も大きい。

 「もとは立体交差道路にするためにふくらんでいる道路部分が、そうではなくなったのに修正もされていないが、長年、住んでいる人がどかなければならない。納得ができない」

事業認定後には、いくらでもアイデアを出していただければ対応できる。

 「街づくりといわれても、道路で商店街が分断されてしまう問題がとても大きい。それをどうしていくのかプランが説明されなければ、賛成も反対もできない」

道路が新たな分断要素にならないようにと肝に銘じている。区が完璧だとはいえない。どうすればいいかは、いずれ区民参加のかたちで知恵を出し合っていただきたい。

 「将来像が駅前の高層ビルというのは、おかしい。今の若い人は大きなビルに来たいのではなく、横丁歩きを楽しんでいるのではないか」

区は決して、高いビルにすることを誘導しているわけではない

 「広い道路を作ってもあっという間にバイクや自転車置き場になってしまうのではないか。公的資金で生み出された小田急の土地は、自転車置き場を含めいろいろ利用させてもらいたい」

これまでの問題である自転車置き場対策は十分に考えたい。

 「駅前周辺地区計画については、住民にとって初めての話あいなのではないか?」
 
「街づくり懇談会」で昭和59年から年月をかけて検討してもらい、区長あてに答申をだしている

区が考える未来のシモキタ
世田谷区が考える未来の「下北沢駅前広場」を立体的な絵におこしてみるとこんな感じになります。小田急線が地下化し、見えている電車は井の頭線です。一昔前なら憧れの駅前かもしれませんが、今じゃ、ありがちな「駅前」風景・・・・。
 「それは商店街の人だけの参加で、傍聴もできなかった・・・」
 「シモキタの顔づくりとはどのようにするのか?」

駅舎については、コンペをやることなども考えていくことができる。

 「緑地帯ができるとかいろいろ噂があるが、どのあたりが、どうなるのか具体的に教えてほしい」

「緑ある街並み」という言葉は決まっているが、具体的には決まっていない。駅前広場の計画は今後つくっていく。

 「テナントが多くなっていて、実際に自分の店ではないところが多いと思う。どれくらいの割合になっているのか?」
 「外からの資本がさらに入ってくるのではないか」

下北沢は、テナント率が8割くらい。大きな資本を呼び込むようなことをしてはいけないとは思っている。住み続けることができる環境づくりのためのルールは必要。搬入のための車の時間帯規制なども考えていくべき。

 「大資本が入ってもいいから、ダイナミックなことを考えてもらいたい。駅近くも、以前は普通に住宅だったが、今では、いつの間にか隣にも店ができて深夜まで騒ぐというような状況。どうにもならないので、むしろ、再開発をやってほしい」(この意見には、地区住民からぱちぱちと拍手もあり)

 「家を建てようと計画して建築士に相談をしていたら、この計画のことを知った。うちは、大きなビルが建つようになるかもしれない道路の裏にあたる。今後、日陰になってしまうのではないか。いっそのこと、立ち退ける人はいいが、うちのように不利になってしまう人たちはどうすればいいのか。立ち退きになる人には、すでに説明があったようだが、うちにはなかった」

もともと、容積率は500%のところ。しかも、広い敷地がないと高い建物は立てられないので、そうそういっぱい建つとは思えない。ある程度敷地がまとまれば17階建ても可能になるが。

 「シモキタは、いまだにバブルがつぶれていない稀有な街。高層化することで、若者をひきつけている魅力を失い、街がつぶれるのではないか。それを行政が誘導するのはいかがなものか」

行政が誘導しているわけではない。むしろ、100mタワーを建てたいということを規制している。

 「魅力がある街と気に入って引っ越してくる予定だが、シモキタの未来像をどう考えているのか」

下北沢は住民の定着率が高い街。(未来像についての区からの答えはない)

 「下北沢の魅力は大きなきれいな店があることではなく、小さな店のひとつひとつが努力し、工夫をしてきたことではないか。小さな店を締め出すようなことをしないでほしい」
 「駅前広場計画のために跡形もなくどこかにいかなくてはならないところで店をやっている。その補償にどんなことをしてくれるかの代替地の提示もない段階。何もそういうことが盛り込まれていない。日陰になって残る方も困る。今、厳しい時代になって、そういう状況におかれて、ここで前向きの意見を出せといわれても無理がある。残る場所にあっても、魅力あった店が将来の見通しが立たなくてやめていってしまうんですね。この街は、戦前から、ずっと小さなお店一軒一軒が努力してできた街。修復型の街づくりとはいいながら、その修復すべきものがどんどん減っていっている。やめた人たちに戻ってきて店をやってくださいと声をかけてほしい。もう戻せないところまでいっているのでは。長いものには巻かれろという気持ちに正直なっている」

今は、補償金額の話ができる段階ではないのでご容赦いただきたい。

 「小田急の駅が地下化され、どんな街になるのかを見極めてからでも遅くないのではないか。やっぱり狭いところは地上げにあったり、空き地が増えたり、つまりはシモキタの魅力がなくなるのではないか。もっと街の皆さんの総意を聞いて考えてほしい。この計画は行政が街をこわす」(会場からぱちぱちと拍手)
 「いや、わしは、ダイエーのところに25階建てを建てようと要望をだしている!17階でも低い」(会場騒然・・・)
 「普通の人が暮らしにくい街になってしまうのではないか。メリット、デメリットを考えてほしい」
 「骨子案が、そのまま素案になってしまうのではないかと心配だ。拙速に進めてもらっては困る。工事期間の10年間で街が変わってしまうだろう。それらを含めて考えるべきではないか」

■下北沢の魅力を維持するプランがみえてこない



今は、乗降客は多くてもヒューマンスケールの小さな駅
会場からは、このようにさまざまな意見が出ました。実際に、ごく少数の地権者の方や商店街の方には、高層ビルのマンションができれば儲かるし、消費者も増えると考える方もいるようです。しかし、全体的には疑問を呈する意見が多く出されました。下北沢の魅力について、今後どのように維持していくかのプランがない、ということが大きな問題であることも浮き彫りになりました。

担当者がもっとも困っていたのは、道路に質問が言及することで、補助54号線と駅前地区計画を分けて考えてほしいと繰り返されました。また、少々、誘導的に聞こえたのが、建物の高さはこれでいいでしょうか、という司会者からの質問です。あるいは、高さについては、多少、規制ができる目論見もあるのかもしれません。

右肩上がりの時代が終わった今、いわば、少し昔の姿のままに残った街、下北沢。駅の地下化が決定され、新しく生まれ変わらなければならないとしたら、どんな姿が相応しいのでしょうか。もう少し、住民が参加して議論をする場が作られる必要がありそうです。

骨子案のパンフレットは、こちらで詳細を読むことができます。―続く

(文=高橋ユリカ・フリージャーナリスト、ViVa!コンテンツサポーター、写真も)

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ
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投稿者: http://www.viva.ne.jp/  2005年02月15日 23時59分
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