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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2005年03月09日

「貧困ゼロ」への挑戦/MDGsから貧困問題を考える

<連載> 「貧困ゼロ」への挑戦
       ――ミレニアム開発目標は誰を幸せにするのか

ミレニアム開発目標(MDGs)から貧困問題を考える

ポベ・キャンペーンのPR風景世界から貧困をなくそうとする取り組みが、国際機関や、NGOなど世界の市民により進められています。これを受けて、日本でも大がかりなキャンペーンが始まりました。今なぜ貧困が問題とされていて、その解決のためにどのような取り組みが行われ、何が課題とされているのでしょうか。

■先進国の開発プロジェクトが途上国の財政を圧迫

2月11日(金)、世界の貧困を根絶するための課題を明らかにし、解決策を考える公開セミナー「ミレニアム開発目標(MDGs)は貧困解決のゴールなのか?」(主催=国際青年環境NGO A SEED JAPAN )が、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。


普川容子さん
普川容子さん
このセミナーは、ミレニアム開発目標(MDGs)とはそもそもどういった目標で、貧困が解決されるために先進国は何をなすべきかについて、アジア太平洋資料センター(PARC)の普川容子さん、オックスファム ジャパンの山田太雲さんを講師に迎えて行われたものです。

山田太雲さん
山田太雲さん
普川さんは、債務の視点から見た貧困問題に対する先進国の責任について話し、先進国が途上国への援助の名目で行う大規模開発プロジェクトが、逆に途上国の財政を圧迫している問題などを中心に講演しました。
また、山田さんは、MDGsの概要や意義、そして今後の課題について話しました。
 
 
■自身の力だけでは貧困からは脱出できない

セミナーのタイトルにもなっている「貧困」とは、そもそもどのような状態なのでしょうか。世界で1日1ドル以下の生活をしている人々は、約12億人もいて、この人たちは所得からみて明らかに貧しい生活を送っています。また、妊娠や出産時に死亡する母親は約50万人、小学校に通えない子どもは1億人以上に達していますし、医療や教育を満足に受けることができない人々も、また貧しい状態にあると言えるでしょう。

公開セミナーの様子
公開セミナーの様子

つまり、自分の人生を自分自身の力で設計したり、夢を描いたりすることができず、外的な要因(それも自分の力では解決できないもの)に圧迫されている人々の状態を貧困と捉えることができます。
こうした、貧困などの状況を生み出している原因は複雑で、自身の力だけで脱出できるものではありません。そのため、2000年9月、189ヵ国が国連サミットに集い、世界の貧困の実態について考えました。そして、極度の貧困を根絶することなどをめざして、明確な達成期限を持つ8つの具体的な目標を採択しました。それがMDGsです。

MDGsが掲げる8つの目標は、貧困、飢餓、病気、非識字、環境悪化、女性差別に立ち向かうことを謳っており、なかでも2015年までに世界全体の貧困者数を半減させることを最優先目標の一つに掲げています。

MDGsセンター発行の冊子
MDGsセンターが発行している冊子
そして、この目標の達成を手助けする役目を担うこととなった国連開発計画(UNDP)は、開発途上国への直接的な援助に加えて、2015年とそれ以降までをも見据えた地球的規模の取り組みに着手するとともに、個人、各種機関、公的組織それぞれに対して行動を起こし、役割を果たすよう呼びかけています。

■各国でG-CAP展開、日本でもキャンペーン始動

MDGsに対しては、市民社会や専門家から、「目標の内容が不完全であるのでは」、「セクターごとのこれまでに交わされた国際約束よりも後退している」など、多くの批判や指摘が寄せられています。しかし、内容に不十分な部分はあっても、「貧困削減」という方向に世界を向かわせるためのツールとしては大枠で支持されています。

体の一部に白いバンドを巻く「White Band」キャンペーン
体の一部に白いバンドを巻く「White Band」キャンペーン
そして、MDGsをきっかけに、貧困問題の解消を目指す「グローバルな貧困根絶キャンペーン(G-CAP、The Global Call to Action Against Poverty)」が地球規模で行われています。G-CAPは、草の根やコミュニティベースの組織から、国際的な労働組合、何百もの人権・開発団体、メディアやスポーツ選手等グローバルなネットワークまでが集った連合となっています。

各国の取り組みを見ると、イギリスでは「貧困を過去のものにしよう(the Make Poverty History )」キャンペーン、アメリカでは「ONE」キャンペーン、またG-CAPの共同アクションとして、体の一部に白いバンドを巻く「White Band」キャンペーンなどが始動しています。

日本では、アフリカ日本協議会(AJF)、オックスファム・ジャパン、オルタモンド、CSOネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)が中心となり「ポベ。ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンを、2005年から本格的に開始。具体的な行動として、2月3日に東京の渋谷駅前と財務省前で、対G7蔵相会議に向けた「アドカーアクション」を行いました。

「ポベ。ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン
「ポベ。ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンのホームページ
同キャンペーンではこれから、さまざまなイベントやメディアの活用を通じて、「貧困」、「格差」に対する問題意識を一人でも多くの人に持ってもらうための普及啓発とともに、市民運動により積極的に参加してもらうきっかけとなるような活動を行っていくとしています。

多くの日本人にとって、貧困は身近には感じられない問題かもしれません。しかし、こうしたキャンペーンを通じて世界の貧困の現状を「見たり」、「聞いたり」した時に、不公平感や不条理などを感じたとしたら、その人は貧困問題を解決するための第一歩を踏み出していると言えるのではないでしょうか。
そして、そうした思いが集まってキャンペーンの原動力となり、市民発の「貧困ゼロ」への挑戦が始まることを期待します(続く)

(文=渡辺圭子、ViVa!コンテンツサポーター、写真=各キャンペーンのホームページ、渡辺圭子)

※ViVa!では、同キャンペーンを始めとする内外の貧困解決のための活動を取り上げていく予定です。ご期待ください

【関連ページ等】
国際青年環境NGO A SEED JAPAN
ポベ。ほっとけない世界のまずしさ キャンペーン
G-CAP:GlobalCitizen.jp フォーラム・サイト
(特活)オックスファム・ジャパン
(特活)アジア太平洋資料センター(PARC)
オルタモンド

【ViVa!関連ニュース】
貧困根絶する解決策考えるセミナー、11日に東京で(終了)
貧困問題の解消めざすキャンペーン始動へ/関連リンク集

「貧困ゼロ」への挑戦
<MDGsから貧困問題を考える><Live 8 Japanコンサート

投稿者: http://www.viva.ne.jp/  2005年03月09日 00時59分
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