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市民活動スクランブル

このコーナーでは、さまざまな分野で活躍するNGO・NPOなどの 市民団体・非営利団体の活動やイベント、最新動向をお伝えするコーナーです。 専門家、ジャーナリスト・ライターによるレポートや、団体・活動家自身による 報告をもとにお届けします(現在データ移行中です。全コンテンツはこちらから)。

2005年03月12日

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ・その5

元祖「まちづくり協議会」は隣町が発祥の地
~協議会に向けて勉強会「下北沢フォーラム」

<2005年3月14日UP>

街の模型を使った説明「下北沢フォーラム」では、昨年末から勉強会を始めました。立体模型を見ながら、新しい街を考えることも。行政と市民が協力しながら、地域のことを考えていく協議会が望まれます。最近では、そんな「街づくり協議会」は全国各地で設立されていますが、元祖といわれているのが、なんと下北沢のお隣り、太子堂2・3丁目で今に続く「まちづくり協議会」です。その当時を知る木下勇さんがお話をしました。

■道は通るだけのものではない

木下勇さん
05年3月2日、北沢タウンホールにて。木下勇さんは、今では千葉大学園芸学部の教授
木下勇さんは、20数年前の「太子堂街づくり協議会」発足当時、大学院生として「太子堂プレイパーク」設立のために調査・活動をしていました。「まちづくり協議会」発足の発端は、太子堂界隈で、防災のために道路の拡幅工事をするという基本計画に納得できない住民が、白紙から考えたいと言いだしたことでした。まずは、1980年に行政主導で「街づくり懇談会」が発足しましたが、住民間でも様々な意見がでてまとまりません。区のほうから、「住民参加のためには地区の問題を定時的に話し合う場が必要」との提案があり、住民がもっと自主的に運営する場作りへと、「まちづくり協議会設立準備会」を経て、1982年当時、全国でも例をみない「太子堂地区まちづくり協議会」へと発展しました。これをきっかけに世田谷区では、同年、全国に先駆けて「街づくり条例」を制定し、区長に対して街づくりの提案を行うことができるようになりました。

どうして住民の方たちは、4mにも満たない道路を6mにすることを嫌がったのでしょうか。そのヒントは、道路が、通るための道なだけではなく、生活空間として機能しているところにあったようです。木下さんが、「下北沢フォーラム」を発足させた街づくり専門家の荻原礼子さんたちと「子どもの遊びと街研究会」で調査をしたのが、子どもたちの遊び空間でした。それも、3世代にわたる、そのときどきの子どもたち。当時の小学生の親たちは、昭和30年頃に小学生でした。その上の世代は、昭和の初め頃の子どもです。

調査はイラストがたくさん入った本に
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その昔、家のまわりには、今よりもずっと公共の空間が広がり、ゆるやかに外に向かって開かれた庭でした。道といっても、庭の延長のような気配で、子どもたちは目いっぱい遊び場にしてきました。
4m以下の道は、そんな時代の名残がありますが、6mにしたとき、それはきっと変わってしまうでしょう。そんなことが予測されて続けられた調査は、イラストがたくさん入った本にもなりました。

そして、下北沢については、「公共交通が便利なところで、なぜ、ロータリーが必要なのかわからないですよね。むしろ、小田急線の地下化された跡地を遊歩道にして商業振興をはかったりするほうがいいのではないかと思うのですが」というご提案。

木下勇さんは、梅が丘で、道路の幅を広げようとした計画に反対した住民たちと行政が一緒にワークショップをやりながら、歩道だけを広げるというプランに変更するというプロジェクトに携わったこともあります。「そんな積み重ねから、世田谷区の土木課には都市デザイン室もできましたし、先駆的な自治体になっていきました」。

■「世田谷区は30年前に戻ったのでしょうか…」


懇談会に任せておいたら、情報が公開されなかったと地域の建築家の方。協議会を立ち上げて、行政と一緒に代替案を検討すべきだったと振り返る(梅ヶ丘駅前けやきを守る会)    
        
と、ところが、ちょうどこの日の前日のこと、梅が丘駅前では、住民の人たちが40年前に植えたケヤキをバスロータリーにするために伐採するというプランに反対する住民たちが抗議行動をするという騒ぎになりました。「いやあ、世田谷区は30年前に戻ったのでしょうか・・」と、絶句の木下勇さんでした。

都市計画専門家の司波寛さんからは、歩行者優先の街づくりが、世界の先端である事例がいろいろ紹介されました。「いまや、自動車王国のアメリカでさえ、その流れの中にあります。地域社会にこの道路が必要かどうか真剣に考えてみるべき」と、これまでたくさんの道路作りに携わってきた立場から強調されます。

小林正美教授の著書「東京再生」
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「下北沢フォーラム」代表の明治大学・小林正美教授は、都市再生における、「その地域らしさ」の重要性に着眼するなど、これまでの画一的な高層化を機軸とする都市計画に警鐘を鳴らす未来的な研究をしています。そんな視点から、数年前から下北沢をフィールドにすでに研究を始めており、勉強会では街の模型を使った説明もありました。

会場からも、さまざまな意見が出ました。車椅子で来て下さった方もあり、「下北沢は道が狭くて歩行者優先になっているので、車が来たときでも、堂々と車椅子でゆっくり行けるのでありがたい」とのこと。なるほど、狭い道路は、かえって、障害者の方も安心して通行できるやさしい道なのですね。

会場には車椅子の参加者も
車椅子の方の感想は貴重ですね。さまざまな立場の方の意見を聞いていただきたいものです
補助54号線道路を作ることに賛成! という老夫婦もいらっしゃりました。「自宅前が細い二間道路なのに渋谷からの通り抜け道になっている。これまで建築規制も受けてきたこともあり、早く道路が出来て欲しい」との希望を述べられました。このことについて、木下さんからは、「大きな道を作らなくても車を抑制することができるやり方もあります。抜け道対策も地域住民でやっていくこともできます。現場を皆で見に行くということも必要ですね」とのこと。

司波さんからは、「実は、大きな道路ができると、その周辺の道路でさらに車が増えるというデータもあります。なるべく、付きあがりにして抜けられないとか、いろいろな仕掛けをドイツではやっています。通過交通は遠回りしなければならないという仕組みもつくっています。今のようなやり方では、ますます車は増えてしまう」との、話も。道路を作れば問題が解決されるというものでもなさそうです。

はじめは憤然と話しておられた質問者の方も、いろいろなアドバイスを聞いてご納得。つまりは、こうした住民のさまざまな悩みを解決に変えていくという話し合いの場も設けられていなかったということです。

市民が望むことこそが、行政にしていただきたいことです。これまでのように商店街に限られた市民ではなく、「さまざまな立場の方たちと意見交換をして、街づくりを再考していただく場が必要。区にもそのバックアップをして欲しい」と、下北沢フォーラムでは、世田谷区に対して3月9日に正式に要望書を提出しました。

                            ※  ※  ※

梅が丘にある羽根木公園の梅林
梅が丘にある羽根木公園の梅林。これも市民がボランティアで植えたのですが、見事な梅園になりました
街づくり部の担当者、辻裕光さんとの話し合いでは、「世田谷区では、街づくりに積極的に参加したい方たちの意見を広く伺うことはやぶさかではない。区が決めたことではなく、これまでの経緯の中で、懇談会が閉鎖的なものになっていた。すべてを白紙に戻すということはできかねるが、住民同士で話し合っていただくべきことなので、懇談会の方たちと相談をして欲しい」との言葉をいただきました。
「素案は3月24日に説明会ですが、それをすぐさま原案にするということはしません」と。

さあ、いよいよ、第二ラウンドに進むことになりそうです。どれだけ本気で「シモキタ」のことを考える協議会、あるいは拡大懇談会を作っていくことができるでしょうか・・・。
地域で新しく参加していただく方も必要ですし、懇談会の皆さんとの話し合いも必要です。さて、どうなっていくことやら~~(^-^

(文、写真=高橋ユリカ・フリージャーナリスト、ViVa!コンテンツサポーター

「サステイナブル☆下北沢」 by 高橋ユリカ
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投稿者: http://www.viva.ne.jp/  2005年03月12日 12時46分
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