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「今、地球上では極度の貧困により、3秒に1人の子どもが命を落としています。
この命は、私たちがほんのちょっと関心を持つだけで救えるものなのです。
そして、それは私たち先進国の政府が責任をはたしていないことにも大きな理由
があり、貧困が人為的に作り出されているのです。」(Live8Japan HPより)
アフリカの様子を映すフィルムに真剣に見入る聴衆(写真提供=「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」事務局)2005年7月2日(土)幕張メッセにおいて開催されたチャリティーコンサート、Live 8。これは、時差の関係で、世界各国10ヵ所で同時に開催されたコンサートのキックオフともなった。
■Live 8とは・・?
Live 8は、7月8日より開催されるサミットに合わせ、アフリカの貧困根絶を呼びかけることを目的にしたチャリティーコンサートで、サミット参加8カ国(G8)にちなんで〈Live 8〉と名付けられた。主催は、アイルランドのロック歌手、ボブ・ゲルドフ氏。ゲルドフ氏は、20年前にはエチオピアの飢餓救済を目的として史上最大のチャリティー・コンサート〈Live Aid〉を行い、1億ドルの基金を集めている。
Live8コンサートは当初、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、フィラデルフィアの5都市での開催が予定されていたが、その後、エディンバラ、トロント、東京、ヨハネスブルグ、モスクワが加わって10ヵ所となり、G8参加国(米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア)全での開催が実現した。
■Live 8 Japanには若者が多く参加
LIVE8 に来た「ほっとけない」の賛同NGO団体スタッフたち(写真提供=「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」事務局)日本での会場となったのは、幕張メッセ(千葉)。最大2万人を収容可能という会場スペースにはライブ開始後も余裕が見られた。会場前方のスクリーンでは、貧困撲滅を訴えるビデオが上映され、「3秒に1人の子どもが命を落としている」といったメッセージや、路上で生活する人々の様子が流されていた。
さまざまな年齢層の観客がいたが、比較的若い世代が多い印象を受けた。多くの観客は、「貧困をなくそう」という声を表すホワイトバンド(白い腕輪)を身につけて参加しており、アーティストと共にそのメッセージを共有しようとしているように見えた。
この「ホワイトバンド」は白いシリコン製で、身に着けることで世界の貧困に関心があることを示すもので、日本では7月より300円で販売されている。欧米で既に定着し始めたキャンペーンを日本にも広めようというもので、売り上げは、「貧困絶滅」のキャンペーン費用に充てられる。
「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」
のオフィシャルサイト日本では歌舞伎の中村勘三郎さんや作家の村上龍さん、サッカー日本代表の中田英寿選手など著名人が多数参加している(販売は、オフィシャル・ホームページ、全国主要書店、タワーレコード、フランフランにて)。
さて、コンサートは14時より開始。最初はロックバンドRIZEがステージに上がり、「世界を変えよう!」とメッセージを送った。その後は海外からのアーティスト2組が続く。英国のMcFLYは「今日、この場に参加できて光栄だ」とコメントして熱唱。次に登場した米国のGood Charlotteも熱のこもった演奏で会場を湧かせた。その後、Dreams Come Trueが登場し、「一緒に楽しんで、みんなで世界に声を届けよう!!」 と、語り、Love Love Loveの英語バージョンなどを会場と一緒になって歌う場面もあった。そしてラストは、今回が実に2年ぶりの日本でのライヴ・パフォーマンスとなったBjork。会場は幻想的な雰囲気の中、Bjorkの歌声に聴き入った。
コンサートの合間には、こうしている間にも世界では貧困で3秒に1人のこどもが死んでいることを象徴するように、皆で3秒に一度指を鳴らすパフォーマンスを行ったり、また、スクリーンでは貧困撲滅を訴えるビデオ上映が繰り返され、このコンサートの目的を語り続けていた。
■ロンドンでは参加者20万人
アーティストの呼びかけに答えてホワイトバンドをかかげる聴衆(写真提供=「ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン」事務局)Live8には、160以上のバンドやシンガーが参加。最大規模のライブはポール・マッカトーニー氏とU2のボノ氏がオープニングをつとめたロンドンのハイド・パークで行われ、参加者は20万人にもなったとされる。また、世界に向けてテレビ中継やインターネット配信が行われ、それらを見た人は2千万人以上にもなるとの推測もある。
2日の英各紙には主催者のゲルドフ氏の公開書簡が掲載され、「毎日5万人が貧困のために死んでいるという現実を終わらせるため、G8首脳は最大の責務を負っている」と、先進各国に行動を促した。
日本でこのLive8コンサートが開催されることが決まったのはかなり直前になってからであった。そのため宣伝が間に合わず、参加者が1万人程度に留まり、また、コンサートのメッセージを十分に伝え切ることができなかったのではという感が残る。
一方、日本は発展途上国に対して多額の援助を行う援助大国でもある。債権放棄が行われれば、日本も債権放棄に関しての負担が求められることも含め、日本国民として援助のあり方について関心を持つべきだろう。
Live 8により、世間の貧困への関心は高まった。これを単なるイベントとして終わらせるのではなく、一人一人が関心を持ち続けること、世界を変えると信じて行動し続けることが本当に大切なのではないかと感じた1日だった(野口朋子/インフォメーション・プランナー、ViVa!コンテンツサポーター)。
<関連HP>
・Live 8 Japan HP
・Live 8 HP
・「ほっとけない 世界のまずしさ キャンペーン」(日本、ViVa!運営主体のJCAFEは、このキャンペーンの賛同団体です)
・Global Call to Action Against Poverty (G-CAP)
- グローバル貧困撲滅キャンペーン
・「MAKE POVERTY HISTORY - 貧困を過去に」 (イギリス)
・「The ONE Campaign - 援助資金を国家予算の1%に」(アメリカ)
「貧困ゼロ」への挑戦
<MDGsから貧困問題を考える><Live 8 Japanコンサート>
世界から貧困をなくそうとする取り組みが、国際機関や、NGOなど世界の市民により進められています。これを受けて、日本でも大がかりなキャンペーンが始まりました。今なぜ貧困が問題とされていて、その解決のためにどのような取り組みが行われ、何が課題とされているのでしょうか。
■先進国の開発プロジェクトが途上国の財政を圧迫
2月11日(金)、世界の貧困を根絶するための課題を明らかにし、解決策を考える公開セミナー「ミレニアム開発目標(MDGs)は貧困解決のゴールなのか?」(主催=国際青年環境NGO A SEED JAPAN )が、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。
普川容子さんこのセミナーは、ミレニアム開発目標(MDGs)とはそもそもどういった目標で、貧困が解決されるために先進国は何をなすべきかについて、アジア太平洋資料センター(PARC)の普川容子さん、オックスファム ジャパンの山田太雲さんを講師に迎えて行われたものです。
山田太雲さん普川さんは、債務の視点から見た貧困問題に対する先進国の責任について話し、先進国が途上国への援助の名目で行う大規模開発プロジェクトが、逆に途上国の財政を圧迫している問題などを中心に講演しました。
また、山田さんは、MDGsの概要や意義、そして今後の課題について話しました。
■自身の力だけでは貧困からは脱出できない
セミナーのタイトルにもなっている「貧困」とは、そもそもどのような状態なのでしょうか。世界で1日1ドル以下の生活をしている人々は、約12億人もいて、この人たちは所得からみて明らかに貧しい生活を送っています。また、妊娠や出産時に死亡する母親は約50万人、小学校に通えない子どもは1億人以上に達していますし、医療や教育を満足に受けることができない人々も、また貧しい状態にあると言えるでしょう。
公開セミナーの様子
つまり、自分の人生を自分自身の力で設計したり、夢を描いたりすることができず、外的な要因(それも自分の力では解決できないもの)に圧迫されている人々の状態を貧困と捉えることができます。
こうした、貧困などの状況を生み出している原因は複雑で、自身の力だけで脱出できるものではありません。そのため、2000年9月、189ヵ国が国連サミットに集い、世界の貧困の実態について考えました。そして、極度の貧困を根絶することなどをめざして、明確な達成期限を持つ8つの具体的な目標を採択しました。それがMDGsです。
MDGsが掲げる8つの目標は、貧困、飢餓、病気、非識字、環境悪化、女性差別に立ち向かうことを謳っており、なかでも2015年までに世界全体の貧困者数を半減させることを最優先目標の一つに掲げています。

MDGsセンターが発行している冊子そして、この目標の達成を手助けする役目を担うこととなった国連開発計画(UNDP)は、開発途上国への直接的な援助に加えて、2015年とそれ以降までをも見据えた地球的規模の取り組みに着手するとともに、個人、各種機関、公的組織それぞれに対して行動を起こし、役割を果たすよう呼びかけています。
■各国でG-CAP展開、日本でもキャンペーン始動
MDGsに対しては、市民社会や専門家から、「目標の内容が不完全であるのでは」、「セクターごとのこれまでに交わされた国際約束よりも後退している」など、多くの批判や指摘が寄せられています。しかし、内容に不十分な部分はあっても、「貧困削減」という方向に世界を向かわせるためのツールとしては大枠で支持されています。
体の一部に白いバンドを巻く「White Band」キャンペーンそして、MDGsをきっかけに、貧困問題の解消を目指す「グローバルな貧困根絶キャンペーン(G-CAP、The Global Call to Action Against Poverty)」が地球規模で行われています。G-CAPは、草の根やコミュニティベースの組織から、国際的な労働組合、何百もの人権・開発団体、メディアやスポーツ選手等グローバルなネットワークまでが集った連合となっています。
各国の取り組みを見ると、イギリスでは「貧困を過去のものにしよう(the Make Poverty History )」キャンペーン、アメリカでは「ONE」キャンペーン、またG-CAPの共同アクションとして、体の一部に白いバンドを巻く「White Band」キャンペーンなどが始動しています。
日本では、アフリカ日本協議会(AJF)、オックスファム・ジャパン、オルタモンド、CSOネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)が中心となり「ポベ。ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンを、2005年から本格的に開始。具体的な行動として、2月3日に東京の渋谷駅前と財務省前で、対G7蔵相会議に向けた「アドカーアクション」を行いました。
「ポベ。ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンのホームページ同キャンペーンではこれから、さまざまなイベントやメディアの活用を通じて、「貧困」、「格差」に対する問題意識を一人でも多くの人に持ってもらうための普及啓発とともに、市民運動により積極的に参加してもらうきっかけとなるような活動を行っていくとしています。
多くの日本人にとって、貧困は身近には感じられない問題かもしれません。しかし、こうしたキャンペーンを通じて世界の貧困の現状を「見たり」、「聞いたり」した時に、不公平感や不条理などを感じたとしたら、その人は貧困問題を解決するための第一歩を踏み出していると言えるのではないでしょうか。
そして、そうした思いが集まってキャンペーンの原動力となり、市民発の「貧困ゼロ」への挑戦が始まることを期待します(続く)。
(文=渡辺圭子、ViVa!コンテンツサポーター、写真=各キャンペーンのホームページ、渡辺圭子)
※ViVa!では、同キャンペーンを始めとする内外の貧困解決のための活動を取り上げていく予定です。ご期待ください
【関連ページ等】
・国際青年環境NGO A SEED JAPAN
・ポベ。ほっとけない世界のまずしさ キャンペーン
・G-CAP:GlobalCitizen.jp フォーラム・サイト
・(特活)オックスファム・ジャパン
・(特活)アジア太平洋資料センター(PARC)
・オルタモンド
【ViVa!関連ニュース】
・貧困根絶する解決策考えるセミナー、11日に東京で(終了)
・貧困問題の解消めざすキャンペーン始動へ/関連リンク集
「貧困ゼロ」への挑戦
<MDGsから貧困問題を考える><Live 8 Japanコンサート>