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2004年12月23日

沼田賞に「自然の権利」の籠橋弁護士/都内で記念講演

[ 環境 ]

籠橋氏 第4回沼田賞受賞記念シンポジウムが、12月23日(木)、東京・文京区本郷の東京大学山上会館で開催され、法律家や研究者、市民など約100人が参加しました。同賞を贈られた、弁護士で「自然の権利」基金事務局長の籠橋(かごはし) 隆明氏は、「環境問題に取り組む弁護士の活動が評価されて非常にうれしい。市民の皆さんと連携して、最大の力を発揮していきたい」と受賞の喜びを話しました(写真は受賞する籠橋氏)。

 沼田賞は、日本自然保護協会(NACS-J)の創立50周年を機に、同協会の故・沼田眞会長を記念して設けられたもので、これまでに全国で自然保護などの環境問題に携わる個人や団体が受賞しています。
 今回受賞した籠橋弁護士は、全国の自然保護訴訟を支援するため「自然の権利基金」を設立し、日本における最初の自然の権利訴訟である「アマミノクロウサギ裁判」や、諫早湾などの自然の権利訴訟を支援してきました。

 また、わが国の自然の権利確立に向けた先駆的な業績を残したほか、日本環境法律家連盟(JELF)を組織するなど、環境派弁護士のリーダーとして活躍しています。
 最近では、普天間飛行場代替施設建設が沖縄のジュゴンに与える影響をめぐって、米国の自然保護団体と共同で連邦政府を提訴するなど環境問題に係る訴訟に取り組んでいます。

籠橋氏 記念講演「日本における『自然の権利』確立をめざして」で籠橋弁護士は、アマミノクロウサギ裁判の経緯と論点について話しました。
 籠橋氏(写真上)は、自然の価値が正当に代弁されることによって、開発の是非を問い、政策決定過程に自然の価値を反映させていくことを旨とする「自然の権利」の重要性と課題、今後の展開について、具体的な事例を踏まえながら解説。
 論争によって真実が明らかにされ、当事者が自己の正当性を主張しながら最終的な決定が導き出される「デュープロセス」が、環境訴訟の分野で活用されることの重要性を強調しました。

 続いて行われた記念シンポジウム「日本における『自然の権利』確立に向けて」では、鬼頭秀一・恵泉女学園大学人文学部教授が、環境倫理学からみた日本の「自然の権利」訴訟について話しました。
 鬼頭氏は、「自然の権利」が、先進国で画期的な概念として歓迎された一方で、現地で自然と共生してきた先住民に、自然利用の制限につながるとの懸念を与えた側面もあったと指摘。
 自然保護をめぐるさまざまな主体の立場を理解しながら、「自然の権利」の法的な論理を構築、確立していくことで、日本発の新しい自然保護の概念をつくりあげられる可能性がある、と説きました。

パネルディスカッション また、「自然の権利」基金理事でジャーナリストの佐久間淳子氏は、「ジャーナリストなどメディアと連携して広報に力を入れた点が、この運動の大きな特徴。活動の理念や目的を、社会に正しい形で認知してもらうことが大切だ。」と、「自然の権利」運動を支えた広報戦略のポイントについて話しました。

「自然の権利」基金
日本環境法律家連盟(JELF)
日本自然保護協会沼田眞賞
財団法人日本自然保護協会(NACS-J)

投稿者: JCAFE事務局  2004年12月23日 15時50分